25株の
B.fragilisと13株の
B.thetalotaomicron, 5株の
B.vulgatusのCeftizoximeに対する感受性を測定した。被検菌株の80%の発育を阻止するMIC
80は
B.fragilis:1.56μg/ml,
B.thetaiotaomicron: 12.5μg/ml,
B.vutgatus:6.25μg/mlであった。
高令者13名と健康青年男子5名について, Ceftizexime 1g静注時の血中濃度を対比すると, 15分後で高令者80.1μg/ml, 健康青年64.3μg/mlの血中濃度を得, 半減期は高令者が3.68時間, 健康青年1.39時間であった。この成績から, 高令者での1g静注12時間後の血中濃度は5.3μg/mlと推定され, 高令者では中等症の全身性感染症に対してはCeftizoxime 1g, 1日2回の静注が1つの基準になると考えられた。
敗血症1例を含む12例の臨床例に1日1g~4gを投与し, 著効4, 有効5, 無効2, 判定対象外1の成績であり, 無効例は真菌性肺炎と
P.aeruginosa, Enterococcusの混合尿路感染で元来がCeftizoximeの適応外の例であった。尿路感染に対しては0.5g, 1日2回の投与で充分の効果が得られた。敗血症の起炎菌は, ABPC, CEZに耐性の
E.coliであり, Ceftizoximeが奏効したが, ペニシリン, セファロスポリン耐性菌が漸増している今日, Ceftizoximeの有用性は高いものがある。
臨床検討で副作用は認められなかった。
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