本研究では, ケーソン式混成堤の破壊滑動量を制御対象としたレベル1
信頼性設計
法の構築を行った. 全国の設計資料より選んだ35ケースを用いて, 谷本ら (1996) による波力の時系列モデルを外力とした滑動の運動方程式を2回積分して求めた滑動量とほぼ同様の滑動量が得られる簡易滑動量算定モデルを構築した. 次いで, 滑動限界値を30cm, 破壊確率の目標値を8.2×10
-2と設定し, 破壊確率の目標値に対する分散が最小になるように部分安全係数を設定した. 構築したレベル1
信頼性設計
法は, 安全率に基づく設計法と比較して, 堤体幅は平均0.7倍となり, 合理的かつ経済的な設計が可能であることを示した.
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