山口縣俵山由温泉町の湯,正の湯,川の湯,藤本屋の湯及び正の川岩間の湧水の5個所の温泉水を分析した.
1. 何れも含有成分の濃度は稀薄で,微アルカリ性である.蒸發殘渣は0.1823~0.1950g/kgで所謂單純泉に屬する.
2. 各温泉を比較するに常量成分Na
+, Ca
++, Mg
++の量は略同程度である.又Cl
-, SO
4--及珪酸の量も近い.其他の成分K
+, Fe
++及炭酸の量は區々である.
3. 微量成分として各温泉ともAl, Ag, B, Cu, Mn, Mo, Sn, Ti, Wを含み,正の湯以外はNiを含む.尚正の湯と川の湯にはZnが含まれてゐる.
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