ケイ酸ナトリウム・マグネシウムの水性ゲルを噴霧乾燥すると,HPLC用充填剤として使用可能な球状粘土鉱物が得られた.これに,光学活性な金属錯体Δ トリス(1,10-フェナソトロリソ)ルテニウム(II)をイオソ交換により担持させて,
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用充填剤(RU-1)を得た.本報では,本充填剤の基本特性を種々検討した結果を報告する.
移動相を検討した結果,メタノールが最も多くの化合物を
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することがわかった.そこで,メタノール系移動相を用いて,種々の構造を有するキラル化合物112種の
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を試みた結果,64種,57%の化合物が
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できた.本充填剤は,
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適用範囲の広く,分離能の高い充填剤であることがわかった.本充填翔の特性を明確にするために,強カチオソ交換充填剤Nucleosi1100-5SA(Macherey-Nage1社)に光学活性な金属錯体を担持させた充填剤(RU-Nと略記する)と保持挙動を比較した.
本充填剤は,RU-Nよりも
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能が高く,π 一電子相互作用が強く,平面認識能が高くなり,その結果として
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能が高かった.このことから,本充墳剤の特性は,光学活性な金属錯体を粘土鉱物の層間にインターカレートさせて担持させたことによると考えられる.
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