新型コロナウイルス感染症パンデミックが続く中，世界中で

への関心が高まっている．そのため大学院（School of Public Health）への関心も同時に拡大してきた．一部の人にとっては大学院はもはや説明を要しない常識となっているかもしれない．しかし多くの人にとってはまだまだ未知の存在であるのも事実である．また，筆者自身の経験から，は臨床医の間では甚だしく誤解されていることもわかってきた．本稿の目的は大学院の初歩的な部分をわかりやすく解説することである．

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日本の医学教育改革が精力的に進められている中で, 学の教育改革も緊要な課題となっている. 国際的にはヘルスプロモーションを基盤として, 「新しい」が提起されている. この「新しい」の中心的重要概念と支援理論を明らかにし, 1978年来, 継続して行っている地域基盤学教育モデルの「新しい」学教育導入への有効性と, この教育モデルの開発と普及化の課題を検討した.

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目的　日本

学会に設置された「平成29/30年度看護のあり方に関する委員会」では，看護教育の実践と研究のための基礎資料を提供することを目的として，看護のコンピテンシーの明確化を試みた。

方法　米国の

看護におけるコンピテンシーを翻訳し，共通点と相違点を検討した。次に，米国の看護（保健師）の能力指標の共通点と相違点を検討し，看護のコンピテンシーの明確化に取り組んだ。

結果　

看護のコンピテンシーには，集団を対象とし，集団の健康問題を見出し，健康課題を設定し働きかけるという共通点がみられた。しかし，集団の捉え方，健康問題の捉え方と健康課題設定の視点，集団における個人の位置づけに相違があった。では，境界が明確な地理的区域や民族・種族を構成する人口全体を対象とし，人口全体としての健康問題を見出し，健康課題を設定しトップダウンで働きかけるという特徴があった。また，個人は集団の一構成員として位置づけられていた。一方，看護では，対象は，個人・家族を起点にグループ・コミュニティ，社会集団へと連続的かつ重層的に広がるものであった。個人・家族の健康問題を，それらを包含するグループ・コミュニティ，社会集団の特性と関連付け，社会集団共通の健康問題として見出し，社会集団全体の変容を志向した健康課題を設定し取り組むという特徴があった。日米の看護のコンピテンシーは，ともにの目的達成を目指して構築されており，概ね共通していた。しかし，米国では，専門家のコアコンピテンシーと整合性を持って構築され，情報収集能力，アセスメント能力，文化的能力など，日本では独立した能力として取り上げられていない能力が示され，詳細が言語化されていた。

結論　

の目的達成に向けたより実効性のある・看護実践を担う人材育成への貢献を目指し，日本の従事者の共通能力が明確化される必要がある。また，看護では，これまで独立した能力として言語化されてこなかった能力を一つの独立した能力として示し，これらを構成する詳細な技術や行為を洗い出し，言語化していく取り組みの可能性も示された。

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  我が国の学教育は，明治以後の近代化の過程では，新しい国づくりと共に行われた．第2次世界大戦後，アメリカから持ち込まれたと，新憲法の法体系に基づいた幅広い学問分野での学教育が行われたことは，わが国のの普及・発展に大きく貢献した．高度経済成長後は，規制緩和や地方分権の進行もあり，わが国のシステムの基本構造はほぼ完成され，世界でも最高度の健康水準を達成した．しかしながら，残された課題と20世紀末からの日本社会の激変・流動化等から生じた諸問題もあり，学教育はより多要因で複雑系となった．21世紀においては，これまでの幅広い教育体制を維持しつつ，集学性の高い大学院等の発展を計り，時代の要請に応える必要がある．

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目的 

看護の倫理に関するモデルカリキュラム・教育方法・教材開発のために，全国の保健師養成機関における倫理教育に関する実態を把握することを目的とした。

方法 全国の保健師養成機関（専修学校（1年課程の保健師養成所，4年課程の保健看護統合カリキュラム校），短大専攻科，大学）229校に質問紙を送付し，

看護教育を担当する教員に回答を求めた。

 質問紙の内容は，回答者および所属機関の属性や保健師資格教育の形態のほか，

看護の倫理の独立・関連科目の有無と導入予定，看護以外の倫理科目，看護の倫理を学ぶことの重要性や望ましい対象など，担当できる教員の有無やその研修の必要性，教育にあたって必要な資源，看護の倫理として扱う内容などを尋ねた。回答は変数ごとの記述統計量を算出するとともに，自由記載の内容分析を行った。

結果 全国の保健師養成機関に質問紙を送付し，89校（回収率38.9%）から回答を得た。保健師養成機関の内訳は大学78.7%，短大専攻科4.5%，専修学校9%であった。

看護の倫理の独立科目はなく，9割近くは導入予定もなかった。42.7%が科目の一部で看護倫理を扱っていた。看護倫理を学ぶ重要性については「非常に重要・ある程度重要」を合わせて9割であった。58.4%が保健師教育において看護の倫理に関する授業を必須化する必要があると回答したが，倫理教育を担当する教員については4割以上が「いない」と回答した。教員の研修は8割以上が必要と答え，必要な研修形態は「専門職団体や学会などによる学外研修」が8割と最も多かった。必ず行う必要があると思われる看護の倫理教育の内容の上位は「看護実践者としての職業倫理」，「健康と基本的人権」，「個人情報とその保護」，「看護における倫理」，「看護における倫理的自己決定」であった。

結論 

看護倫理教育はその必要性は高く認識されているものの，実施率は低かった。モデルカリキュラム，教材，教授できる教員が不足していること，教授が必要とされる看護の倫理の教育内容が体系化されていない現状が明らかになった。看護倫理の定義の合意形成と，モデルカリキュラムと教育方法，教材の開発，教員の養成が急務であると考えられた。

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近年，に関する様々な倫理的課題が生じる中，英米を中心に，「の倫理（public health ethics）」に関する教育実践が重視され，研究が進んでいる．しかし，わが国ではこれまで，教育実践の実態や必要教育カリキュラムに関する研究は行われてきていない．そこで，全国の医育機関を対象に調査研究を実施した．
1) 医学部・医科大学及び国立保健医療科学院を含む全国81医育機関のうち，全国医育機関衛生学・学教育担当者名簿に登録された201講座の長を対象に自記式質問票調査を実施した．
2) の倫理に関する教育の実態（授業時間割合など），及び，の倫理教育として扱うべきテーマをはじめとする教育カリキュラムのあり方に関する意識について尋ねた．
3) 有効回答101講座のうち，60.4%が担当授業の中で倫理教育を行っていたが，倫理教育への現在の充当時間割合は8.0%であり，望ましいと考える時間割合（8.8%）よりも少なかった．
4) の倫理に関する科目の履修必修化については肯定的な意見が大半であり，政策と関連したテーマおよび医学研究の倫理に関するテーマに対する教育ニーズが高かった．
5) の倫理に関して，現状における教育実践の不備，及び，専門的かつ体系的教育の必要性・重要性が示された．また，今後の必要教育カリキュラムについて，一定の方向性が示された．

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