第46回日本重症心身障害学会学術集会を10月30日(金)、31日(土)の2日間、大分で開催致します。例年と比べて1か月遅れの開催となりますが、ひとえに台風シーズンを避けたことによります。皆様のご予定等にご迷惑をおかけすることになるかも知れませんが、交通の便が良くない大分に一人でも多くの会員の皆様にお越し頂きたいとの思いです。何卒、ご了解のほどお願い申し上げます。
本学会の大分での開催は、国立療養所西別府病院院長・三吉野産治先生が会長を務められた第16回大会(平成2年)以来30年ぶりの開催となります。この30年の間に、重症心身障害医療の内容やそれを取り巻く環境も大きく変化しました。しかしながら、本学会が文字通り重症心身障害医療に携わる方々にとって最も大事な研修、意見交換、交流の場であることに変わりありません。参加される皆様にとって有意義な学術集会となるよう準備を進めていく所存です。
学会テーマとして、「重症児(者)を支えるために、今、取り組むべきこと」を掲げました。重症心身障害医療の今後を見据えると、医療の重度化、加齢にともなう疾病変化(がん医療など)や医療同意のあり方、移行期医療、在宅医療など対応すべき多くの課題があります。学術集会では、一般演題とともに特別講演などの指定演題を通して「取り組むべきこと」について語りあい、学びあえる場になることを目指します。
プログラムの概要ですが、特別講演として、「はやぶさ」プロジェクトマネージャを務められた川口淳一郎先生(宇宙航空研究開発機構JAXA)と児玉和夫先生(日本重症心身障害福祉協会代表理事)に、それぞれ科学や医療・療育の視点から「取り組み」についてのお話しをお願いしています。教育講演として、看護の取り組みを荒木暁子先生(日本看護協会)、リハビリテーションの取り組みを奥田憲一先生(九州栄養福祉大学)に講演して頂きますが、重症化や高齢化に関連して、星出龍志先生(はまゆう療育園)には重症児(者)の蘇生処置、笹月桃子先生(西南女学院大学)には重症児(者)の意思決定支援について教育講演としてお話しして頂きます。シンポジウムのテーマとして、移行期医療や在宅医療に関連して「重症児(者)のがん」や「大分県における医療的ケア児の支援の現状」を取り上げましたが、チーム医療の要といえる看護師の皆さんに、重症心身障害看護のやりがいや専門性について考えてもらうためのシンポジウムも企画しました。あわせて看護研究応援セミナーも例年どおり開催されますので看護師の皆さんの参加をお待ちしております。また、重症心身障害医療において重要な診療分野である栄養、呼吸管理などについてランチョンセミナー等で解説して頂く予定です。以上の指定演題は、学会テーマに沿ったものであるとともに、重症心身障害医療初学者にも興味を持ってもらえることを意図したものです。
重症児(者)は医療、福祉、教育などの支えも必要ですし、ますますその広がりや連携が求められております。在宅医療や意思決定支援は社会的な関心が高い分野でもあります。医療職以外の視点での招待講演として、大木大圓先生(飛騨・千光寺住職)と
内多勝康
(成育医療センター・元NHKアナウンサー)に死への向き合い方や医療的ケア児とのかかわりについて話して頂きます。
多職種が集う集会であることが本学術集会の特色です。例年参加されている会員の皆様にはさらに研鑽の場となるように、また、一人でも多くの初参加の方が出て重症心身障害医療に興味を持って頂ければという思いでいっぱいです。施設の管理者や指導に当たっておられる会員の方々には、職員の方々の参加、演題発表などを勧めて頂くことをお願い申し上げます。
大分は温泉をはじめ豊かな自然、豊富な魚介類をはじめとする美味しい食べ物に恵まれており、学会の合間には日常の疲れを癒していただけると思います。ひとりでも多くの方々の参加をお待ちしております。
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