環境に配慮した実験, 個別化による「考える力の育成」に有効な実験として, マイクロスケール実験の特徴を生かした教材開発と授業実践を行った。小学校から高等学校に至る学校現場での普及には, 安価で安全かつ操作性にすぐれた実験器具の開発が必要である。本研究ではマイクロスケール実験のメリットを生かしながら, 実験に臨む教員側の課題である準備や後片付けの負担を軽減できる器具として, 「呈色板」を利用した「水溶液の性質」および「だ液のはたらき」に関する教材開発と授業実践を行った。アンケート調査は中学生や教員志望の大学生を対象とした授業と教員研修での実践をもとに, 従来の実験器具との比較も含めて実施した。活用した「呈色板」は, 従来のセルプレートのもつ機能性を損なうことなく利便性を向上させ, 学校現場に取り入れやすく, また「考える力の育成」につながる主体的な個別実験が可能になることが確認された。
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