本研究では,生体負荷軽減効果をもつコンプレッション型ランニングタイツ(Cp 型タイツ)のための設計を提案することを目的として,膝屈曲姿勢パターンの導入,縮小率による衣服圧の制御,テーピングによる局所圧付与の観点から3 種のCp 型タイツを試作した.20 歳代女性7 人を被験者として,30 分間7km/h の走行実験を実施し,筋電図,心電図および主観評価に及ぼす影響を検討 した. その結果,積分筋電図および平均周波数において,脊柱起立筋および腓腹筋内側頭を除くすべての脚部筋で,膝屈曲パターンを有するタイツ(試料K)およびテーピングを付与したタイツ(試料T)で筋疲労軽減効果が認められた.交感神経系活動の指標であるLF/HF では試料K で低く,ストレス軽減効果がみられた.また,主観評価では,試料T で他の試料よりも大腿筋および下腿筋が揺れないと評価され,試料K では膝を曲げやすく履きやすいと評価された.すなわち,膝屈曲パターンを用い,下腿内側を除く脚部に局所圧を付加することが,身体負荷軽減効果をもつCp 型タイツの設計において重要であると結論付けられた.
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