健康診断や人間ドックで使用する性機能スケールの開発を最終目的として,問診票に採用する性機能関連項目の選定を行った。札幌医大式性機能質問紙の性機能関連項目を元に,因子分析の結果,ED治療に対する影響度および国際
勃起
機能スコア(IIEF)との比較を行って,健康診断や人間ドックで使用する性機能スケールの項目を選定した。因子分析より得られた5つの因子毎に因子負荷量が最大項目,ED治療関連項目およびIIEFとの共通項目の3点について点数化を行った結果,第1因子は
勃起
頻度(3ポイント),第2因子は性交意欲(2ポイント),第3因子は性生活の満足度(3ポイント),第4因子はED治療(1ポイント),第5因子は早朝
勃起
(1ポイント)という5項目が各因子における最高ポイントを獲得した。第1因子の
勃起
持続時間(2ポイント)も高得点であった。以上の成績より5つの因子における最高ポイントを獲得した5項目のうち,第4因子のED治療に関しては他の項目で代用可能なことから除外し,第1因子の
勃起
頻度と第3因子の性生活の満足度(共に3ポイント)に次いで高得点であった第1因子の
勃起
持続時間を追加して最終的に5項目[性生活満足度,早朝
勃起
,性交意欲,
勃起頻度および勃起
持続時間]を健康診断や人間ドックの問診票に採用する性機能関連項目として選定した。性機能評価のためのスケールとしての有効性については多施設調査の結果を用いて解析する予定である。
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