自律神経
Online ISSN : 2434-7035
Print ISSN : 0288-9250
共催シンポジウム
鍼灸治療が男性生殖器機能に及ぼす影響 ―勃起障害を中心として―
谷口 博志谷口 授伊佐治 景悠北小路 博司
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 56 巻 3 号 p. 139-145

詳細
抄録

本稿では,勃起障害(ED)に対する中髎穴(第3後仙骨孔周辺)への鍼刺激による有効性,作用機序に関する我々の知見について紹介する.臨床において,多種多様なED患者に対して中髎穴への刺鍼は26例中15例で改善することを確認し,PDE5阻害剤が無効な糖尿病性ED患者においても,一定の効果を示すことができている.作用機序について,我々は麻酔下ラットの陰茎海綿体内圧を勃起機能の指標として検討し,上位中枢を介した体性-自律神経反射により調節されていることがわかっている.仙骨部への鍼刺激は,勃起が関わる上位中枢からの遠心路全てを賦活し作用すると考えられ,PDE5阻害剤の無効例等に対しても,鍼治療は有効な治療法となる可能性がある.

著者関連情報
© 2019 日本自律神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top