家庭の食事作りを担当する主婦の調理済み食品利用の実態と手作り意識について調査した。調査は1983年11月, 大阪周辺に在住する調理担当者1,256人を対象に, アンケート方式により実施し, 年代別, 職業別に集計した。
結果は次のようであった。
1) 食材料購入回数は毎日および週に3~4回がそれぞれ53%, 33%であった。
2) 平日の夕食作りに要する時間は, 45~60分が全体の41.2%で最も多く, 次いで60分以上が30.7%であった。60分以上かけている人では有職者より専業主婦が多かった。
3) 朝食わよび夕食を家族そろってとる人はそれぞれ36%, 47%であり, 夕食をそろってとる率は専業主婦より有職者のほうが高かった。
4) 調理済み食品の利用は20歳代に多い傾向がみられたが, 有職者と専業主婦とで同程度であった。
5) 調査対象の半数以上の人が利用したことのある調理済み食品は, 巻ずし, ぎょうざ, コロッケ, 卵豆腐であった。
6) 調理済み食品を利用した人による評価は, 全ての種類で満足する傾向にあった。
7) 調理担当者は手作り意識を高くもっていたが, 調理済み食品に頼っている現状がみられた。常勤者での手作り願望および自営者の調理済み食品依存度が高い傾向がみられた。
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