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クエリ検索: "南方熊楠記念館"
12件中 1-12の結果を表示しています
  • *石橋 隆, 土永 知子
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2021年 2021 巻 T5-P-2
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/05/31
    会議録・要旨集 フリー

    【 南方熊楠(みなかたくまぐす)

     日本の近代化黎明期に活躍し、世界的博物学者と称される。江戸時代末の1867年5月18日(慶応3年4月15日)に紀州に生まれる。旧制和歌山中学校、東京大学予備門を経て、19歳から14年間米国、英国などへ海外遊学する。10数ヶ国語を自由に使いこなして国内外に多くの論文を発表し、日本に「ミナカタ」ありと世界の学者を振り向かせ、自然科学、民族学などに多くの足跡を残す。生涯在野の学者に徹した熊楠の活動や研究範囲は非常に広範で、現在も全容が解明されるには至っていない。業績面では特に粘菌(変形菌)の分類学の基礎を固めた生物学者としてや、柳田国男らと日本における民俗学ソサエティの立ち上げを行ったことで知名度が高い。熊楠については彼自身の人物像についても多くの研究がなされている。

    【 熊楠の鉱物化石標本 】

      南方熊楠が、少年期から東京大学予備門生時代、渡米期などに鉱物や化石などの地質標本を蒐集していたことは殆ど知られていないが、標本約300点が現存し、

    南方熊楠記念館
    (和歌山県白浜町)に収蔵されている。この標本群は熊楠が終生所有していた遺品で、1996年に整理が行われた際に3日間にわたって調査され、再調査の要ありと判断されていたが、以後も詳細な調査は行われていなかった。2019年に標本図録(土永・石橋)が制作され、今回はさらに標本の同定および入手方法や時期についての精査が行われたために内容を報告する。

     鉱物および化石標本は、熊楠が渡米前に地質標本蒐集用に製作した黒い箪笥(1886(明治19)年3月21日の日記に記録あり)に収められている。これらの標本の大半は、熊楠が上京した1885(明治18)年から渡米中の1889(明治22)年に収集されている。熊楠は幼少期から『和漢三才図会』『本草綱目』『雲根誌』などを抜書し「本草学」で知識を得た。標本は、江戸期の木村蒹霞堂による「貝石標本」のように、鉱物、化石、考古遺物および貝類を同じ標本箱に保管している。また、標本付属の紙片(ラベル)や日記に、「紫石英」「陽起石」「ツキノサガリ」など熊楠が幼少の頃から抜書をした「本草書」に採録されている、江戸期あるいは中国古来の石の名称が記されているものもみられる。熊楠の鉱物・化石コレクションには「本草学」( ≒ 江戸時代の博物学)の影響が強くみられる。 熊楠は、通称『熊楠日記』とよばれる懐中日記に日常を詳細に記録していたが、そこに入手や採集の記録がある標本が多数現存することも判明した。なかには論文にスケッチが掲載された標本の実物も確認された。『熊楠日記』はそれ自体が研究対象にされ、関連する報告書や書籍が多く出されているが、地質標本に関連する部分については一般的ではない名詞や用語が多く、地質学、鉱物学、古生物学などの専門知識に加えて、江戸期の本草学、蘭学、鉱業などの知識も併せ持って読み解かないと理解が容易ではなく、これまでにあまり注目されていなかった。 熊楠については、前述の通り、生物学者(粘菌等)や民俗学者的側面の活動や業績が特に知られるが、今回行われた鉱物や化石などの地質標本の調査において、少年期の多感な時期から青年期にかけて、親友らと鉱物標本の蒐集や鉱物の洋書を翻訳するなど、地質学鉱物学に強い興味を示し、標本の蒐集を通しての人付き合いが、彼の人格形成に大きく影響を与えた様子を読み取ることができる。

    【 引用文献 】

    土永・石橋(2019):南方熊楠の鉱物・化石コレクション展2019.フィールドミュージアム番所山

    南方熊楠記念館
    特別展図録, 番所山を愛する会・公益財団法人
    南方熊楠記念館
    , 36総頁.

  • 松居 竜五
    インターカルチュラル
    2016年 14 巻 101-107
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2023/11/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 小林義雄
    植物研究雑誌
    1976年 51 巻 1 号 24-27
    発行日: 1976/01/20
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 政一
    日本温泉気候物理医学会雑誌
    2014年 77 巻 4 号 298-305
    発行日: 2014/08/29
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      我が国には温泉地とゆかりの深い文学作品が多い。例えば川端康成が静岡県の湯ヶ島温泉で『伊豆の踊子』を執筆し、志賀直哉は山手線の電車事故で大怪我を負い、その養生のため逗留した城崎温泉で『城の崎にて』をしたためた。当地紀州・和歌山県では龍神温泉が有吉佐和子の『日高川』の舞台になっている。愛媛県の道後温泉は夏目漱石の『坊ちゃん』で有名であるばかりでなく、正岡子規、高浜虚子らの多くの俳人を輩出している。さらに、与謝野鉄幹・晶子夫妻、若山牧水らも全国各地の温泉地を訪ねて多くの歌を詠み、これらの歌の中には歌碑として建立されているものも多い。
      当地・和歌山県でも万葉の昔から、天皇、貴族をはじめ多くの文人墨客が訪れ、短歌、俳句、詩歌、小説などの名作を数多く残している。これらの作品の中にはそれらが作られた地に文学碑として建立されているものも少なくない。
      そこで、本稿では和歌山県の由緒ある温泉地とこれらの温泉地に建てられている文学碑を中心に紹介する。
  • 鈴木 泰博
    人工知能
    2015年 30 巻 3 号 390-397
    発行日: 2015/05/01
    公開日: 2020/09/29
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 笠井 清
    日本文学
    1968年 17 巻 9 号 64-68
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
  • 南方熊楠の存在的意義
    亀井 宏
    英学史研究
    1969年 1969 巻 1 号 45-51
    発行日: 1969年
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
  • 笠井 清
    日本文学
    1965年 14 巻 4 号 313-318
    発行日: 1965/04/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
  • 編集委員会
    地学雑誌
    1998年 107 巻 6 号 898-902
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
  • Sessile Organisms
    2023年 40 巻 1 号 13-29
    発行日: 2023/06/30
    公開日: 2023/07/27
    ジャーナル フリー
  • 糟谷 大河
    日本菌学会会報
    2020年 61 巻 2 号 45-61
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2020/12/18
    ジャーナル フリー

    砂浜海岸は暴風,潮風,波浪,後背地の侵食に対する緩衝となるなど,陸地に対して様々な保護的な機能を果たし,また植物や動物に対して独特な生育環境を提供している.近年,自然植生を有する砂浜海岸は世界的に急速に減少しており,その生態系の保全が強く求められている.砂浜海岸の菌類相を調査することは,その生態系や生物多様性の保全を図る上で重要である.本総説では,筆者がこれまで日本の砂浜海岸の菌類相を調査する中で得られた知見のうち,ヒメツチグリ目,スッポンタケ目およびハラタケ目に属する菌類,特にヒメツチグリ属,スッポンタケ属,スナツブタケ属およびガマノホタケ属の種の分類や系統関係について紹介する.ヒメツチグリ属菌については,これまで筆者らの研究で新たに7種が追加され,既知の日本産種は21種となった.スッポンタケ属菌については,日本産のアカダマスッポンタケについて,証拠標本を残すとともに日本国内の分布を明らかにした.スナツブタケ属はこれまで日本で記録されてこなかったが,日本にも未記載種が存在することが明らかになり,ワタゲスナツブタケとして記載した.砂浜海岸に生息するガマノホタケ属,スナハマガマノホタケについて,日本各地の砂浜海岸に分布することを明らかにしたとともに,それらの系統解析を行った結果,本種が菌核の海流分散により分布を広げているという仮説が矛盾しないことを明らかにした.

  • 福田 一葉, 下嶋 聖, 町田 怜子, 土屋 薫, 竹内 将俊
    ランドスケープ研究
    2022年 85 巻 5 号 475-480
    発行日: 2022/03/30
    公開日: 2022/05/13
    ジャーナル フリー

    The Visitor Center (VC) is a facility that provides information to natural park users. The purpose of this study is to classify the location environment and obtain basic knowledge for VC awareness improvement and functional improvement. The target is 200 VC facilities in national parks. Data collection and generation were carried out, and finally spatial coupling using GIS was carried out. In classification,1) Inside or outside the park;2) Less than 500m or more in the park world; 3) What is the land type, Classified from three viewpoints. The results show that it was classified it into six types. I. Entrance location type in the park:27%; II. Core location type 11%; III. Use base location type 37%; and IV. Edge location type 9% V. Out-of-park entrance type 8%; VI. Non-adjacent 9%. From this result, it was revealed that the VC facility was located in line with the park plan. The entrance type occupies 34% and is near the entrance of the park. The base type is 37% and the second special area locations in the whole are 54%. In this study, the classification of national park VC was arranged, and the present state of the location characteristics was clarified.

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