1.
14C-ACMの5mg/kgをウサギに投与したばあいの血中濃度は, 投与後すみやかに低下し, 30分後には1mcg/ml以下となるが, その後, 低濃度ながら長時間にわたつて持続) た。排泄については, 投与後72時間までに投与量の45%の放射活性が尿中から, 20%が糞中からそれぞれ回収された。
2.40mg/kgの
3H-ACMを正常マウスに, 10mg/kgの
14C-ACMを担癌マウスにそれぞれ投与し, 経時的に臓器内分布を測定した結果, 2時間では, 肺, 脾臓に最も高く, 次いで腎臓, 肝臓に高い分布がみられ, 肺, 脾臓では活性型, 腎臓, 肝臓では不活性型で存在することがわかつた。
2.時間以降は, 肺, 腎臓, 肝臓等では低下するのに対して, 脾臓, 胸腺においては明らかな濃度の増犬がみとめられた。また, 腸管内にも, 胆汁排泄によると思われるかなり高濃度の分布がみとめられた。
脳への移行は非常に微量であつた。
3.正常ラットに10mg/kgの
14C-ACMを投与し, オートラジオグラフィーによつて観察した結果, 上記の肺, 脾臓, 腎臓, 胸腺, 腸管以外にリンパ節, 骨髄および下垂体, 唾液腺, 松果体等の分泌腺にも高い分布がみとめられた。
4.妊娠ラットに10mg/kgの
14C-ACMを投与し, 2時間, 8時間後の胎仔への移行を測定した結果では, 胎仔1匹当りへの移行量は, 母獣への投与量の約0.2%であり, 胎仔中濃度はほぼ母獣のプラズマレベルと同程度で, 非常に低い値を示した。また, 蓄積性はみとめられなかつた。
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