大阪市中心部においてC
2~C
5の9種の炭化水素成分を, 15ヵ月というこれまでにない長期間にわたり1時間おきに連続測定した。測定は気体試料濃縮装置およびガスクロマトグラフの組み合わせによる自動測定装置により行った。得られたサンプル数は8907サンプルで, 全時間数に対して81.2%であった。
すべてのHC成分濃度は初冬に高く夏季に低かった。C
2H
4は測定成分中最も濃度が高く, 最も濃度が低かったのはC
3H
6である。C
3H
6は夏季にはほとんど検出されなかった。C
4~C
5成分は年変化が小さかった。日変化パターンについては, その特徴から3種類に分類できることがわかった。すなわち,(1) C
2H
6, C
3H
8,(2) C
2H
4, C
2H
2, C
3H
6, および,(3) C
4, C
5HCの3つのグループである。HC組成についても検討したが, 風向別に特徴のある組成比が得られた。これは気塊の発生源および測定地点までにいたる経緯の違いによって生じるものと考えられる。その中で共通した特徴として夏季のC
4~C
5HC比の増加があげられた。この特徴は気温と相関があり, 気温の上昇とともに高沸点HCの発生量増加がうかがわれた。
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