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クエリ検索: "名古屋市立平針中学校"
3件中 1-3の結果を表示しています
  • 佐野 嘉昭, 福田 恒康, 遠西 昭寿
    理科教育学研究
    2019年 59 巻 3 号 393-400
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    クワインは,観察や実験といった我々の経験が審判できるのは個々の理論ではなく,精緻な内部構造をもつ命題のネットワークである理論体系の全体であることを示した(丹治,2009)。そうであれば,学習もこの「理論体系」を単位とする命題のネットワークそのものを対象とするべきである。このとき,このネットワークの範疇をどのように設定するかが問題となる。本研究は,中学校では学年を隔てて指導される「光合成」と「呼吸」を,一連のネットワークとして単元構成を行った実践的研究である。授業では命題のネットワークとしてコンセプトマップを使用した。その結果,ややもすると単なるガス交換として認識されたり,デンプンの本来の役割にまで思慮が及びにくかった光合成や呼吸について,デンプンを介した日光から生命活動に至るエネルギーの流れや,自然界における物質循環,さらには環境保全からESDに至る思考へと発展させることができた。このとき,コンセプトマップの役割は大きかった。

  • 遠西 昭寿, 福田 恒康, 佐野 嘉昭
    理科教育学研究
    2018年 59 巻 1 号 79-86
    発行日: 2018/07/31
    公開日: 2018/08/22
    ジャーナル フリー

    「主体的な学習」においては, 行為や具体的操作よりも心的・認知的な意味での主体性が問われなければならない。本研究の目的は, 観察・実験における主体的探究者としての科学者と授業における学習者の認知的活動を比較して, その差異から授業を改善することである。その結果, 観察や実験の結果の考察においては, 観察・実験が確証をめざす当該の理論のみならず, その理論を含む理論体系の全体が学習に先行して概観されていなければならないことを示した。さらにアプリオリな理論体系の存在は, 問題の発見から仮説設定, 観察・実験の方法の決定といった一連の過程においても必然であることを示した。すなわち, 観察や実験で演繹されるべき理論(仮説)のみならず, 学習の成果として期待される理論の体系的全体の概観が, 当の学習の前提であるという循環論である。本論文ではこの問題を解決する具体策として, 教科書記述の改善と現在の教科書を使用した対応の方法を提案した。

  • 遠西 昭寿, 福田 恒康, 佐野 嘉昭
    理科教育学研究
    2017年 57 巻 4 号 351-358
    発行日: 2017/03/18
    公開日: 2017/07/08
    ジャーナル フリー

    筆者らはクワインのホーリズムに基づいて, コンセプトマップを用いて「一つの集まり」として科学知識を示すことによって, 学習者にとって観察や実験を意味あるものとする実践を紹介してきた(遠西・佐野, 2012; 福田・大嶋・遠西, 2013; 福田・遠西, 2014; 福田・遠西, 2015)。これらの実践は学習者に好意的に受けとられてきている。しかし, 紙面の制約もあって, 授業実践の具体的方法とそれを支える理論的背景について詳細に述べる機会はなかった。本論文の目的は, これらの実践の根拠となった方法論的理論と, そこからの帰結としての具体的方法を紹介することである。その概要は以下のとおりである。1. 習得すべき科学知識としての命題群の設定と教師によるコンセプトマップを用いた概念構造の明示化。2. 授業目標の設定, キーワードの設定および授業計画の作成(科学的命題の構成としての認知的目標)。3. 授業実践(観察実験を含む)と授業評価(キーワードを使った命題の構成と実験による確証)。4. コンセプトマップの作成による「まとめ」の活動(テクストとしての概念理解とメタ認知)。理論も概念も命題であるから, 授業の認知的目標は命題の構成である。しかし, 観察や実験によって審判されるのは個々の命題ではなく「一つの集まり」(クワイン, 1992)としての命題群であり, これを可視化する手法として命題の連鎖であるコンセプトマップが使われている。本論文が紹介するのは具体的方法とその背景的理論であり, 実際の授業評価には前述の先行論文を参照していただきたい。

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