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クエリ検索: "名古屋市立稲生小学校"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • 佃 吉晃
    自閉症スペクトラム研究
    2017年 15 巻 1 号 17-29
    発行日: 2017/09/30
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー

    本研究は他校通級児童男児Aへの支援を通して、担任との連携・協力の在り方や通級による指導の効果、保護者支援について検討した。Aの不快感を下げながら成功体験を増やす在籍校担任と連携した支援や保護者にAへの実際的な養育を促す支援を継続的に行った。その結果、Aは気分のメリハリが残るもののクラスで活動する場面が増え、回避逃避行動パターンを修正するに至った。また保護者と定期懇談会を設定し、具体的な養育について話し合ったものの、保護者がそれに基づいた養育の実行や進路決定に多くの時間を要した。しかし6 年生より在籍校に特別支援学級が新設されたことに伴い、保護者は納得して学びの場を変更することができた。クラスや通級指導教室での自己達成的な学習によりAの活動の増加及び行事の成功体験が生じ、担任と情報を共有し支援方法を綿密に相談できたことがAの変容につながったと推察された。通級担当者は担任のクラス運営を考慮に入れた上で、対象児童や保護者の支援をする俯瞰的な視点をもつ必要性が示され、その上で担任と互いの実践に敬意を払い、主体的な実践を支え合うことが『協働』であると考察された。保護者支援はその個別性が課題であるが、保護者とつながり続けるための児童への丁寧な支援の繰り返しや共感的・未来志向的な就学相談が、共に「丁寧に生きる」支援者の必然的な姿勢として示唆された。

  • 佃 吉晃
    自閉症スペクトラム研究
    2013年 11 巻 1 号 39-49
    発行日: 2013/10/31
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー

    衝動的で、不注意な面が強く、友達とうまくかかわったり、落ち着いて学習したりすることが難しかった小学3 年生男子A に対して、通級指導教室で週2 回の個別指導を3 年間行った。『6 つの包括的なアプローチ』を支援軸として、A の気持ちやテンションを自ら調整させることや学習への動機を高め、その態度や習慣を変容させることを目標とした。その結果、紆余曲折しながら、A はもやもや、イライラした感覚を“怒りの爆発”と名づけ、怒りの感覚を感情として理解できた。その後、年度を重ねるごとに攻撃的な言動を抑えたり、自分の思考を対象化したりできるようになった。2 年目には、クラスの漢字テストで点数をとることを目標とした「ホームワーク」を行った。文字の形が整い、漢字テストで合格ラインを超す高得点を得ることもときには見られた。A は、クラスで穏やかに学習したり、友達と良好な関係を築いたり、将来の見通しや希望について語ることができるようになった。これらの支援は、さまざまな「“気づき”の実感」や対人関係や学習への「苦手意識の消去手続き」ととらえることができ、今後のA の学校生活における支援として、重要な方法論と示唆された。

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