バルサルバ洞動脈瘤の右房内破裂は,比較的まれな疾患とされてきたが,われわれの本邦における文献的集計では,今までに41例の報告がある.
最近われわれは緩徐な症状の進行を示した2症例を経験し,根治術を行って治癒せしめたので報告した.
症例1は46歳の女性で,症例2は46歳の男性であり,動脈瘤の破裂発作から手術までの期間はそれぞれ26年と16年であった.
低体温人工心肺を用いて右房切開を行い,
動脈瘤を連続縦合にて閉鎖し根治術を行った.動脈瘤は2症例とも右冠動脈洞からのもので今野分類のIIIa型であった.
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