本研究は,高知県において人々へ自然環境の推進を図っている野外施設の実態を調査する第一段階として,県土の特色である森林を利用して自然体験プログラムや森林・林業に関する情報の発信拠点として設置された高知県森林総合センター情報交流館に着目し,そこに備えられている学習環境について特色を検討した.検討する際の観点として,三宅・野上(2004)が示した,野外学習施設として備えたい「調査・学習活動の場・設備」と「施設利用を促す環境整備」に関連する7点を参考にした.その結果,情報交流館における学習環境の特色として,「調査・学習活動の場・設備」に関連する点では,科学的データを収集できる場があるものの,フィールドワークのための器具・分析器具などは備わっていなかった.しかしその一方で,「施設利用を促す環境整備」については,豊かな自然環境,交通の便,滞在施設に関して,十分に備えられていた.
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