温室効果ガス削減技術シナリオについて2001年3月に環境庁 (当時) より調査報告書が出版された。報告書は1998年に策定された温暖化対策推進大綱に基づいて2010年における温室効果ガスの削減量を推計するとともに (第1部), 資金的, 社会的, 制度的な制約条件をある程度捨象した場合の, 2010年時点における技術的観点からの削減ポテンシャルを取りまとめている (第2部)。2002年3月には新しい推進大綱が発表された。2000年の温室効果ガスの総排出量は, 13億3200万トンと, 基準年 (原則1990年) の総排出量と比べ, 8.0%増加しており, 一層の排出削減が必要とされている。本解説では,「温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討会報告書」を基に, 温室効果ガス排出量の推計方法, 削減の可能性などについて紹介する。
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