【目的】訪問看護ステーションで働く皮膚・排泄ケア認定看護師(以下、在宅WOCN)が、ストーマ造設の退院直後にストーマケア方法の変更を要した症例を経験し、退院支援に考慮すべき視点を再確認したので報告する。
【症例】A氏:70歳代男性、独居。退院翌日に装具から便が漏れてストーマ周囲皮膚障害が発生した。緊急訪問してストーマケア方法を変更することで皮膚障害は改善した。B氏:50歳代女性、知的障害あり。退院翌日に装具から便が漏れてストーマ周囲皮膚障害が発生した。退院3日後の予定訪問時にケア方法を変更することで皮膚障害は改善した。
【考察・結語】本2症例におけるストーマ周囲皮膚障害の原因として、ストーマケアに関する退院支援不足および病棟看護師・病院WOCN・退院支援看護師と訪問看護師・在宅WOCNの情報共有不足が考えられる。適切な退院支援のためには、病院では患者であったストーマ保有者が在宅では生活者になるという大きな相違点を認識した上で、在宅の視点をもって早期介入することが重要である。在宅WOCNとして本2症例にかかわった経験から、退院前カンファレンスや電話・オンライン面談などによって退院後の生活を想像しながら情報共有するように働きかけることが、在宅WOCNが果たすべき役割であることを再認識した。さらに、病院から在宅へと必要な看護を一貫して提供することが、装具選択および退院支援において考慮すべき重要な視点であることも再確認した。
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