今日の公民教育では,政策立案型の授業が数多く実践されている。これまでの政策立案型授業実践では,政策提案という行為そのものに重きが置かれ,生徒が提案した政策の質に十分に注目してこなかった。 本論文の目的は,政策立案型授業において,生徒の解決策の質を分けるのはどのような学びなのか,各班の学習過程を比較して検証することである。
本実践における政策立案の質の優劣は,「問題の構造化」の優劣に起因した。主に,問題を「ヨコの構造化」(多様な利害関係者をあげて,利害関係者の関係や利害関係者と問題のつながりを描く)で把握できたかどうかが,「政策立案」の質を分けた。
また,本論文では,特に「問題発見・課題設定」の段階に着目して,政策立案型授業を公共政策学の知見をもとに開発した。
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