軽種馬の卵胞発育障害(主に無発情,一部微弱発情)54頭に対して, PMS・HCGの併用とPMS, HCGモれぞれれ単用による筋肉注射療法を行なった。卵巣が正常の大きさにあって卵胞が発育しないかあるいは小卵胞の発育~消退がみられて無発情または微弱発情を呈する症例に, GTHのみによる療法を試みた。いっぽう,卵巣が萎縮硬結しているものおよび卵巣に黄体様のものが存続して無発情を呈する症例に, GTHと子宮処置療法を併用した。
1. PMS 5,000I.U.・HCG 5,000 I. U.併用群では91.4% (32/35頭), PMS 5,000 I. U.・HCG油剤2,500 I. U.併用群では64.3% (9/14頭), PMS 5,000I. U.単用群では50% (1/2頭), HCG油剤2,500 I. U.単用群では33.3% (1/3頭)の発情誘起率であった。
2.水溶性PMS・HCG 併用群ならびにPMS・HCG油剤併用群について, GTHのみによる療法とGTH・子宮処置併用による発情誘起率を比較したところ, GTH療法が80.0% (20/25頭),GTH・子宮処置療法が87.5% (21/24頭)であった。
3. 軽種馬の卵胞発育障害に対するGTH療法としては, PMS 5,000 I.U.・HCG 5,000 I. U.を同時に筋肉注射し,もし卵巣に。反応が認められない場合に。は10~14日後に。さらに同量(あるいは2倍量)を追加注射する高単位GTH療法が優れている。
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