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クエリ検索: "塩沢兼人"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • 程 斯
    アニメーション研究
    2023年 23 巻 2 号 29-39
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2024/04/10
    ジャーナル フリー

    本稿は1980年代の「第二次アニメブーム」、「第二次声優ブーム」、そして「やおいブーム」が合流した地点で生まれた「カセットJUNE」に着目する。アニメで蓄積された声と声優に対する熱狂を引き継ぎながら、女性向け文化の領域で新たな聴取経験を築いたコンテンツである「カセットJUNE」の最初の二作であるカセット「鼓ヶ淵」とカセット「間の楔」、およびこの二作に寄せられた当時の聴き手のコメントを対象として、それらがいかなる聴取経験を提供し、そして聴き手といかにやり取りしたかについて分析を行う。成人男性の声を直接聴き手の耳元で響かせた「カセットJUNE」は、従来の少年愛マンガや小説とは異なるような、身体全体に触覚的に作用する聴覚的快楽を聴き手に供したが、それだけではなく、聴き手コメントというコミュニケーションのツールを聴き手に開放したことによって、聴き手をその聴覚的快楽をめぐる交渉に参加させた。

  • 程 斯
    アニメーション研究
    2025年 25 巻 1 号 41-51
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/11/11
    ジャーナル フリー

    本稿は史上初の「女性向け恋愛シミュレーションゲーム」である「アンジェリーク」のCDシリーズについて論じる。「アンジェリーク」のCDシリーズは、それまでのCDやゲームなどの媒体で使用された手法を援用しつつ、女性向けCDという領域でさらに発展させた。それらのCDでは「聴き手をゲームの主人公であるアンジェリークとしたうえで声をかけてくれる手法」と、「聴き手が自分自身として声をかけられる手法」の両方が使用された。前者は聴覚のみでシチュエーションありの語りかけを実現させ、後者はアバターなしの聴取経験を可能にした。これらの実践によって、「アンジェリーク」のCDシリーズは、後の「女性向けシチュエーションCD」というジャンルの確立へと繋がる、重要な貢献を果たしたと言える。本考察は、アニメの周辺領域である、男性アニメ声優が演じる女性向けの聴覚的コンテンツの歴史を理解するための手がかりになるだろう。

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