このたび,2011年1月14,15日にわたり第29回周産期学シンポジウムを開催させていただきました。
企画,立案,演題募集から,採択,内容チェックまで数回に及んで,学会本部の委員会で取り仕切っていただけるので,会場と現場でのシンポジウムの運営が,課せられた役割になるわけで,今回は,思い切って佐賀県の山の中の温泉郷に囲まれた“どんぐり村”での開催を企画させていただきました。
数年前にこの会場で同じような学会を持たせていただきましたが,開会から閉会まで満員で,終わって一斉に会場から皆さんをバスで送り出すことができたという感動の経験をし,
夢よもう一度
ということから,このような結果になってしまいました。ただ今回は冬の時期であり寒さと交通の便が唯一気がかりでしたが,私のテルテル坊主に願いをかけて決断させていただきました。ところが20年に一度の寒波が襲い,年明けから雪の連続で開催も危ぶまれましたが,私のテルテル坊主の効果で,開会当日のみ見事な青空で晴れ渡り,何とか皆様をバスで会場までお連れすることができました。九州でありながら,まさに「トンネルを抜けると雪国であった…」そのもので,銀世界の中での開催でしたが,会場の中は熱気あふれた討論が湧出しました。
そんなわけで,本テーマは周産期学シンポジウム運営委員会で提案された「周産期における鎮静・鎮痛・麻酔」ですが,プレコングレスでは,趣を変えて,会長としての歓迎講演を前座として,京都の第一線臨床医でおられる島岡昌幸先生にメインテーマの中での違った角度から多くの臨床経験を通しての硬膜外麻酔分娩の話題をお願いし,新しい概念も含めて多くの理解を得ることができたと思います。また委員会からは照井克生先生にメインテーマに関する全国調査の結果についても報告していただきました。
また,今回は新生児蘇生の講習会は,2010年の新しい改定がなされたことから急遽,講習会にかわって,新しい改定内容を田村正徳先生に講演していただくことができました。
最後に,気候や山の中の不便な会場設定で,皆様には大変なご不便をおかけしたと思いますが,九州での銀世界の経験,懇親会の料理のおいしかったこと,そして熱い会場の雰囲気など“素晴らしい記憶に残る会でした…”と,多くの皆さんからの嬉しいお言葉をいただくことができました。そして“障がい者も健常者もともに働く村,どんぐり村”を知っていただき,障がい者も会の運営に参加し,最後に小雪の舞い散る中,ともに皆で手を振ってバスを送り出せたことを世話人一同喜び合うことができました。あらためて御礼申し上げたく思います。
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