1990年代に入り,日本の衆議院および旧ソ連諸国で小選挙区比例代表並立制が使用され始めた。それにあわせ,政治学の分野でも並立制に関する研究が多く進められ,日本の衆議院における並立制にも大きな注目が払われてきた。日本では衆議院の他に,参議院においても二つの選挙制度を並存させた選挙が行われている。しかし,両院の制度は並立制という点で類似しているにもかかわらず,参議院をケースとした研究はまだ比較的少ないように思われる。これまでの衆院選に注目した並立制の研究では,政党の得票率が小選挙区部分と比例区部分でいかに連動しているかなどの研究が発表されている。しかしながら,参院選での非拘束名簿式のもとでは二つの選挙制度が連動するのかどうかは明らかにされていない。そこで,本稿では2001年参院選の結果を用いて,どのように二つの選挙制度間で連動が起きるのかを明らかにする。
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