秋田県を例として中学校理科教員の津波の理解や学習に対する意識,教材に関するアンケート調査を,2010年チリ地震津波および2011年東北地方太平洋沖地震後に行った.教員の津波に関する知識情報源は主にテレビ番組に依存し,海岸地形による津波の波高の変化,津波防災に関する基礎知識などの理解度は十分に高いとは言えない.ほとんどの教員は,津波について中学校卒業までに学ばせるべきで,中学校では地震や津波のしくみの学習が重要だと考えている.津波の教材に関して,多くの教員は動画を保有している.中学校における津波の防災教育は回答者の半数弱の学校で実施されている.津波に関する学習指導の課題として,教員の教材観と生徒が要望する学習内容の差異に留意した指導,教員研修の必要性が挙げられる.
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