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クエリ検索: "学校法人淳心学園"
3件中 1-3の結果を表示しています
  • 松田 直美, 高松 泰行, 森野 陽, 饗場 郁子
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-NV-12-2
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy:以下,PSP)は,姿勢保持障害,歩行障害,垂直性核上性注視麻痺,前頭葉徴候,パーキンソニズムなどの症状を呈す神経変性疾患である。その有病率は11.4人/10万人である。「PSP診療とケアマニュアル」において,運動療法が推奨されているがエビデンスに乏しい。また,症例報告は散見する程度であり,体系的研究はほとんどないのが現状である。そこで本研究はPSPのバランス,歩行能力について,運動療法介入前後の変化を比較検討した。【方法】対象は2014年4月から2015年10月の間に,当院に入院した歩行可能なPSP患者12名(年齢:72.8±8.8歳)とした。評価項目は,PSP staging system,Functional reach test(以下,FRT),Timed up and go test(以下,TUG),各種歩行指標,10m歩行時間,後進歩行速度,3分間歩行距離(以下,3MWD)とした。歩行指標は,ウォークWay MW-1000(アニマ株式会社,東京)を用いて評価した。運動療法は,基本動作練習,歩行練習,バランス練習,日常生活動作練習を中心とし,4週間,週5回,1日約60分実施した。介入前後の各項目について,対応のあるt検定ならびにウィルコクソン符号付順位検定を用いて検討した。解析にはSPSS ver. 20を用い,有意水準は5%とした。【結果】対象のPSP staging systemは2.5(四分位範囲:2.0-3.0)であった。運動療法介入前後の比較において,FRT(19.3±10.0cm→21.8±9.3cm,p=0.002),TUG(14.5±4.5秒→14.0±5.3秒,p<0.001),歩隔を除く歩行指標,10m歩行時間(9.9±2.3秒→9.2±2.6秒,p=0.002),後進歩行速度(24.4±32.2 m/分→20.1±5.7 m/分,p=0.024),3MWD(152.4±53.0m→167.4±59.5m,p<0.001)に有意な差を認めた。【結論】本研究では,PSPに対して4週間の運動療法介入前後のバランス,歩行能力を比較した結果,動的バランス能力,歩行能力,持久力において有意な向上がみられた。PSPは発症1年以内で転倒を繰り返し,車椅子が必要となるのに2-3年であると言われている。4週間の介入によりバランス,歩行能力の向上を示したことの臨床的意義は大きい。しかしながら,本研究は観察研究であるため,運動療法の効果であるとまでは言及することができない。今後,PSPの運動療法の効果を明らかにするために,対照群との比較検討していく必要がある。
  • ―パーキンソン病患者との比較―
    高松 泰行, 松田 直美, 森野 陽, 饗場 郁子
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 O-NV-15-2
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】進行性核上性麻痺(以下,PSP)は注視障害,姿勢保持障害,歩行障害を主徴候とする神経変性疾患である。パーキンソン病(以下,PD)の有病率が約100人/10万人であるのに対し,PSPは11.4人/10万人と稀少な疾患である。PSPの症例報告は散見されるが,体系的にまとめた研究報告は少ない。本研究では,PSPの静的・動的バランスおよび歩行の特性について類縁疾患であるPDと比較し検討することを目的とした。【方法】対象は2014年4月から2015年10月までに,当院へ通院あるいは入院していたPSP患者(13名,年齢:72.1±8.9歳),PD患者(14名,年齢:74.4±5.6歳)で歩行自立から監視レベルの運動機能を有する者とした。重心動揺検査にはグラビコーダGP-7(アニマ社,東京)を用い,外周面積,単位軌跡長,単位面積軌跡長,前後・左右中心,総軌跡長,矩形面積,実効値面積,ロンベルグ率を計測した。歩行指標の測定にはウォークWay MW-1000(アニマ社,東京)を用い,歩幅,重複歩距離,歩隔,歩行角度,足角を計測した。その他に,片脚立位時間,膝伸展筋力,functional reach test,pull test,timed up and go test,10m歩行時間・歩数を評価した。PSPとPDの差の比較には,対応のないt検定,Mann-Whitney U testを用いた。各指標間の関連をSpearmanの順位相関係数を用いて検討した。統計解析はSPSS ver. 20を用い,有意水準は5%とした。【結果】両疾患とも重心位置が後方へ偏位していた(PSP:-2.6±1.9 cm,PD:-2.4±2.0 cm,p=0.828)。重心動揺値では,PSPはPDに比べて外周面積(PSP:4.1±2.0 cm2,PD:7.8±3.3 cm2,p=0.002),矩形面積(PSP:19.0±9.2 cm2,PD:9.6±5.1 cm2,p=0.003),実効値面積(PSP:4.3±2.1 cm2,PD:2.3±1.5 cm2,p=0.008)は高値であり,単位面積軌跡長(PSP:13.4±2.0 cm3,PD:30.8±18.6 cm3,p=0.004)は低値であった。歩行指標では,PSPの足角が有意に大きかった(PSP:13.1±6.6度,PD:7.4±6.0度,p:0.025)。姿勢保持障害の指標であるpull testの点数はPSPが有意に高かった(PSP:3.0[2.0-3.0],PD:1.0[1.0-2.0],p<0.001)。筋力,歩行,動的バランス能力に有意差は認められなかった。また,両疾患ともにpull testと重心動揺値の間に相関は認められなかった。【結論】重心動揺検査では,PSPは重心動揺面積が大きく,単位面積軌跡長が小さかった。両疾患ともに後方重心傾向であったが,PSPはPDに比べて後方に対する姿勢保持障害が強いことが示された。また,歩行指標は足角に有意差を認めた。PSPとPDでは,同程度の運動機能を有する者でも,重心動揺値,姿勢保持障害,歩行指標に差があることが分かった。今後,これらの特性を考慮した介入研究を進める必要があると考えられる。PSPは稀少な疾患であるため対象者数が少ないという限界はあるが,本研究はPSPの静的・動的バランスおよび歩行の特性について体系的に検証した貴重な報告であると考えられる。
  • 佐藤 拓也, 中村 裕二, 須鎌 康介, 中島 そのみ, 仙石 泰仁
    日本重症心身障害学会誌
    2012年 37 巻 1 号 143-148
    発行日: 2012年
    公開日: 2023/05/31
    ジャーナル フリー
    施設に入所する重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))を対象に、呼吸パターンとしての胸郭上・下部の運動の同調性が肺炎の罹患に関係しているのかについて分析を行った。また、肺炎罹患や呼吸障害との関係が考えられる摂食・呼吸機能、脊柱変形との関連についても同様に検討を行った。その結果、呼吸パターンの異常性および脊柱の変形は、直接的に肺炎罹患と関連しないことが示唆された。また、摂食・呼吸機能に関しては、誤嚥を認める者、気管切開例が多く肺炎罹患を呈していた。このことから、重症児(者)の肺炎罹患と関連する指標を検討する上では、胸郭運動の同調性や脊柱変形自体ではなく、これらがどのような姿勢・運動機能や呼吸機能の異常と関連しているかを総合的に捉えていくことが必要であると考えられた。
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