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クエリ検索: "学校法人福田学園"
9件中 1-9の結果を表示しています
  • 越智 久雄, 西村 敦, 今井 公一, 永易 和美, 西薗 みどり, 笠原 弘樹, 福嶋 一郎, 宗野 寿恵, 中平 剛志, 阪上 奈巳, 島 雅人, 岩田 千恵子, 常盤 香代子, 二田 梨江
    理学療法学Supplement
    2008年 2007 巻 423
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】対人援助職である理学療法士が、援助的態度を実現するためには、対象者に対して最初に接する面接が重要な位置をしめると考えている。当校では、1年生前期より面接法の講義・模擬患者への面接・臨床場面での面接・客観的臨床能力試験(以下OSCE)で到達度の確認という過程で面接法を学生に指導・教育している。今回、毎年8月に実施している1年生を対象とした理学療法実習Iの実習前後2回実施したOSCEの結果を比較し、学生の変化を確認し、多少の知見が得られたので報告する。
    【方法】昼間部42名、平均年齢20.2±6.9歳、夜間部40名、平均年齢27.3±6.9歳に対し、一連の過程で面接法を指導・教育し、OSCEで学生の到達度を確認した。講義終了から約1ヶ月間で、1回目OSCEを4~5名を1グループとして班分けし、教員が模擬患者となり全学生に面接を経験させた。また、1回目OSCEから理学療法実習Iまでの約1ヶ月間で、その面接場面をビデオ撮影したものを教材とし、教員からのフィードバックや自主学習に利用し理学療法実習Iに臨んだ。臨床場面での面接としては、1年生を対象に8月に実施されている理学療法実習Iで、実習期間4日間に、対象者に対して実際に面接を実施するという課題を提示している。理学療法実習I終了直後に2回目OSCEを実施した。
    【結果】OSCEの結果は、昼間部学生の合計点数平均は、1回目29.4±5.9点、2回目29.8±5.2点であった。夜間部学生の合計点数平均は、1回目28.4±5.9点、2回目29.3±4.4点であった。昼間部学生、夜間部学生とも1回目の合計点と2回目の合計点の間に有意差は認められなかった。
    【考察】今回、毎年8月に実施している1年生を対象とした理学療法実習Iの実習前後に2回実施しているOSCEの結果を比較検討し、学生の変化を確認した。昼間部・夜間部学生とも2回のOSCEの合計点数の結果には有意差が認められなかった。1回目OSCEの結果から、学内での講義において、面接に臨む態度、身だしなみ、言葉遣いなどについては約90%の学生が実施可能となった。しかし、質問の項目では、充分に実施することが出来ない学生が多かった。これは、コミュニケーション能力は急激に向上することが難しく、知識の補充や臨床実習での経験が影響し、対象者の立場に立ち、対象者を思いやる気持ちが育まれながら、向上してくるものではと考えられる。加えて、評価過程の情報収集の重要性や位置付けが理解されることにより、意図の明らかな質問が、可能になると考えられる。また、理学療法実習Iの前にOSCEを実施し経験を加えたことは、学生側からは、一度現場に即した面接を経験出来たので、実習時には気持ちに余裕が持てた、面接の流れがよく理解できたなどのプラスの意見が聞けた。教員側は、学生個々のコミュニケーション能力を把握した上で指導に臨めるので、より確実な指導が可能となったと考えている。
  • Star Excursion Test変法との関連性
    山口 荘司, 竹内 透, 越智 久雄
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 PF1-052
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    高齢者の転倒による骨折は社会全体として取り組むべき課題である。これまでに転倒とバランスに関する多くの研究・報告がなされてきたが、転倒があらゆる方向に起こりうるものであるとして捉え、多方向への転倒の危険性について言及した報告は少ない。そこで我々は、前後左右および斜め45度の計8方向へのリーチ距離によってバランス能力を評価するStar Excursion Test (Kinzeyら、1998)原法を修正してRevised SET(以下R-SET)を独自に考案し、一般的なバランス評価指標である開眼または閉眼片脚立位保持時間(以下OLS)、Timed “Up and Go” test(以下TUG)、10m最大歩行時間(以下MWS)や 10m最大速度歩行平均歩幅(以下SL)との関係を調査し、若干の知見が得られたので報告する。
    【方法】
    対象は、当法人デイケア利用者のうち、独歩可能な19名(男性14名、女性5名、平均年齢78.6±7.8歳、身長158.2±7.5cm、体重59.7±8.8kg)とした。主疾患の内訳は、脳血管疾患11名、骨関節疾患4名、内部疾患3名、その他1名であった。Kinzeyらの原法を修正したR-SETを用いて8方向の下肢最大リーチ距離を測定した。独自で作製した、1cm目盛りの塩化ビニール製測定シートの中点に足底の中心部を位置し、シートに書かれた直線上に足部をできるだけ遠くへリーチできる8方向(前方、前外方、外方、後外方、後方、後内方、内方、前内方)の最大距離を測定した。測定は3回ずつ行ない、測定値は対象間で比較するために、各対象の身長で除し標準化し、平均値を代表値として採用した。直線上にリーチ出来なかった記録は測定不可とし採用しなかった。これらの結果と、OLS、TUG、MWS、SLとの関係を比較した。統計処理として、R-SETの各方向リーチ距離とOLS・TUG・MWS・SLそれぞれとの関係、R-SETの各方向リーチ距離間の相関についてSpearmanの順位相関係数を用いてそれぞれ解析した。危険率5%未満を有意水準とした。
    【説明と同意】
    対象者には口頭および文書をもって、本研究の趣旨、また、被験者にならなくても不利益にならない事を説明し、研究参加の同意書に署名を得た上で、研究を実施した。
    【結果】
    バランス評価指標との関連として、OLSでは、開眼16項目中6項目で有意な正の相関(rs=0.50~0.83)が認められたが、その他については有意な相関は認められなかった。TUGでは、16項目中2項目において有意な負の相関(rs=-0.52~-0.53)が認められ、その他については有意な相関が認められなかった。MWSでは16項目中7項目において有意な負の相関(rs=-0.51~-0.74)が認められた。また、SLでは、16項目中12項目(rs=0.46~0.95)で有意な正の相関が認められた。また、R-SETの各方向リーチ距離間の相関については、全120項目中72項目で有意な正の相関(rs=0.46~0.92)が認められた。
    【考察】
    本研究の結果、R-SETとMWSには有意な負の相関が、R-SETと SLについては有意な正の相関が認められた事から、R-SETは歩行時のパフォーマンスを捉えるための一手段として有用であることが示唆された。また、R-SETの各方向リーチ距離間での相関が高く、今回実施したその他のバランス評価指標の中で最もR-SETと相関の強かった項目がSLであったことから、多方向に対して大きなリーチが可能であれば、左右交互に下肢リーチ動作を繰り返す歩行動作においても安定性も高いと考えられた。
    【理学療法学研究としての意義】
    SETはSLと有意な正の相関のあるパフォーマンステストであり、今後他の評価バッテリーとの関連を確認することで、バランス能力をより多角的に捉えるための指標となりうる。
  • *越智 久雄, 西村 敦, 今井 公一, 永易 和美, 西薗 みどり, 笠原 弘樹, 福嶋 一郎, 北浜 伸介, 宗野 寿恵, 中平 剛, 阪上 奈巳, 島 雅人, 常盤 香代子
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 551
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】保健・医療・福祉に関わる専門職を対人援助職とよび、対人援助職である我々理学療法士は、援助的態度を実施することにより、理学療法士と対象者との間に理想的な人間関係の構築が可能になると考えられる。援助的態度を実現するためには、対象者に対して最初に接する面接が重要な位置づけをしめると考えている。このようなことから、本校では、1年生前期より面接法の講義・模擬患者への面接・臨床場面での面接・客観的臨床能力試験(以下OSCE)で到達度の確認という過程で面接法を学生に指導・教育している。今回、面接法の到達度を確認するために実施しているOSCEの結果から多少の知見が得られたのでその結果と、本校で実施している面接法教育の過程も合わせて報告する。
    【対象と方法】本校理学療法学科学生1年生昼間部43名、平均年齢20.0±4.0歳(男性27名・女性16名)と夜間部43名、平均年齢25.3±6.2歳(男性32名・女性11名)に対し、面接法の講義・模擬患者への面接・臨床場面での面接という過程で面接法を指導・教育し、OSCEで学生の到達度を確認した。
    【結果】OSCEの結果は、昼間部学生の合計点数平均は、30.3±3.8点、かかわり行動1.8±0.4点、言葉遣い5.5±0.6点、導入部分8.6±1.7点、質問11.7±2.8点、終結2.6±1.1点であった。夜間部学生の合計点数平均28.0±5.1点、かかわり行動1.9±0.3点、言葉遣い5.4±0.8点、導入部分8.1±1.6点、質問10.3±3.0点、終結2.3±1.0点であった。昼間部と夜間部の学生での比較では、合計点数と質問の項目において有意差を認めた(P<0.05)。かかわり行動、言葉遣い、導入部分、終結に関しては有意差を認めなかった。
    【考察】今回、理学療法士と患者の信頼関係の基礎を築くために重要な位置づけである面接法について、学内での面接法の講義、模擬患者への面接、臨床場面での面接、OSCEで到達度の確認という過程で面接法を学生に指導・教育している現状を報告した。学生全体でみると面接法での基本的な部分である、かかわり行動・言葉遣い・導入部分、すなわち、身だしなみや言葉遣い、自己紹介や挨拶をするについては、講義により90%の学生が修得したと考えられた。質問の項目では、50%以下の学生が実施できていなかった項目として、「患者が話しやすい聴きかたをする」「患者の話しを促すような声掛けができる」「共感的態度を言葉ないし態度で患者に伝えられる」「患者の話す内容を適切に要約できる」「患者の話す内容の要約に間違いがないか確認できる」が、実施できた学生が少なかった。これらの項目は、技術的な側面が大きく、今後、経験を積み重ねながら、修得する必要性が考えられる。
  • 安藤 剛, 竹内 透, 梅林 千恵, 福田 結美, 森田 知彦, 奥野 夏希, 香川 健太郎, 越智 久雄, 西村 敦
    理学療法学Supplement
    2015年 2014 巻 P2-C-0771
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】わが国は2007年より超高齢化社会になっており,理学療法士は医療や介護において大きな期待が寄せられている。高齢者の身体運動能力低下は様々原因が重複しており,その大きな原因として慢性疼痛があるが,高齢者の多くは認知症及びコミュニケーション能力低下により慢性疼痛の訴えを詳細に聞き取ることを困難にしている。今までに質問形式による疼痛評価に関する報告は見られるが,認知症を罹患している高齢者に対してどれほど信頼性があるのか疑問に思われる。Abbeyが重度認知症患者を対象に客観的な行動評価法を提唱しAbbey pain scaleの日本語版としてAPS-Jが開発されている。認知症の程度を評価する方法としてはMini Mental State Examination(以下MMSE)があり,基本的生活動作評価法としBarthel Index(以下BI)は広く使われている。また,疼痛を10段階評価する評価方法としてNumeric rating scale(以下NRS)がある。今回,介護老人保健施設利用者の慢性疼痛を客観的に評価できるのかについてAPS-J,MMSE,BI,NRSを3週間の理学療法士,作業療法士介入前後に比較検討し,一定の知見を得たので報告する。【方法】対象は平成26年9月18日から平成26年10月29日の間に介護老人保健施設アイリス堺正風(以下当施設)に入所中のものの中から,身体機能面で評価困難,評価期間中に当施設を退所した等の理由で評価不可能になったものを除いた合計60名とした。今回検討した評価方法はAPS-J,NRS,BI,MMSEとした。介入の内容は関節可動域運動,リラクゼーション,筋力増強運動,神経筋再教育,作業活動,集団体操,風船バレー,小集団体操,物理療法,歩行練習,立ち上がり練習,起立練習,移乗練習,立位保持練習,車椅子自操練習,ADL練習,嚥下練習のうち,それぞれ対象者に必要なものを組み合わせて実施した。実施期間は評価期間中のうち3週間とし,介入前後でAPS-J,NRS,BI,MMSEの評価を行った。統計学的解析としてSpearmans correlationを,解析ソフトとしてSPSSを用いて各評価項目間での相関を調査した。【結果】NRSとAPS-Jとの間で介入前後ともに弱い相関があることが分かった(介入前rs=0.27,介入後rs=0.26)。BIとAPS-Jでは介入前後でどちらも負の相関があることが分かった(介入前rs=-0.56,介入後rs=-0.49)。BIとNRSではどちらも相関はなかった(介入前rs=0.11,介入後rs=0.09)。NRSとAPS-Jの介入前,介入後の相関が高いということは,痛みの主観的な数値評価と様々な行動による痛みの表現を段階評価したものとの一致度が高いといえる。また介入後に各評価項目が改善したのはNRS10名,APS-J4名,MMSE33名であり,BIは変化がなかった。【考察】NRSとAPS-Jの関係でみると介入前rs=0.27,介入後rs=0.26であり弱い相関があることが分かった。つまりNRSが高い人ほどAPS-Jの点数も高いと考えられる。客観的行動評価法であるAPS-Jの得点が高いということは,NRSの得点と一致しており,主観的な疼痛評価法であるNRSと,客観的行動評価法であるAPS-Jとの関連も深い。この結果APS-Jの信頼性が高いことは先行研究とも一致する。APS-Jは疼痛箇所があり,それが動作に影響している場合は点数が高くなる。本研究におけるBIとAPS-Jの相関係数では介入前rs=-0.56,介入後rs=-0.49であり,介入前後で負の相関があることは相互に妥当と思われる。これは慢性疼痛により自己での動作機会が減り介助量が多くなっているケース,また慢性疼痛による動作意欲の減退も影響しているケースが考えられる。BIとNRSでは介入前rs=0.11,介入後rs=0.09でありどちらも相関はなかった。これは基本的生活動作能力が高くても,自己の疼痛の程度を的確に表現できていないと言える。これらの結果からAPS-Jは客観的行動評価法として介護老人保健施設で慢性疼痛の評価法として用いた場合に有効だと考える。しかし,APSは文化的背景の異なる人種に対して作成されたもので,日本版であるAPS-Jでも痛みに対する表現の違いを考慮せざる得ない。今後は介入方法の違いをAPS-Jで評価し,介護老人保健施設における理学療法士の役割について検討したい。【理学療法学研究としての意義】当施設に限らず介護老人保健施設入所者のQOLを高める為には慢性疼痛に対する理解が求められる。NRS,APS-J,MMSE,BIなどの評価方法を用いて疼痛を正しく理解し,適切な治療プログラムを実施することは理学療法学研究として意義があると考える。
  • 下肢・体幹筋力との関連性
    竹内 透, 山口 荘司, 越智 久雄
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 PF1-051
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    動的バランス能力を定量化する方法として、Kinzeyらは前後左右および斜め45度の計8方向へのリーチ距離によってバランス能力を評価するStar Excursion Test(以下SET)の有用性を報告している。また、SETの実施に関して、佐々木らは下肢筋力が要求されると述べており、下肢筋力の指標として30秒椅子立ち上がりテスト(以下CS-30)を採用し、全ての方向で有意な正の相関がみられたと述べている。しかし、中谷らによると、CS-30における椅子から立ち上がるという運動が膝関節だけでなく股関節や足関節の複合運動であるため、膝伸展力の評価のみでは、立つ動作に関与する筋力の半ばを評価したに過ぎないと述べている。そこで、パフォーマンステストの一つであるCS-30と相関が高いとされているSETが個別の筋力に対しても関連があると考え、SET原法を修正したRevised SET(以下R-SET)を独自に考案し、下肢筋力との関係を調査し、若干の知見が得られたので報告する。
    【方法】
    対象は、当施設デイケア利用者のうち、独歩可能な19名(男性14名、女性5名、平均年齢78.6±7.8歳、身長158.2±7.5cm、体重59.7±8.8kg)とした。主疾患の内訳は、脳血管疾患11名、骨関節疾患4名、内部疾患3名、その他1名であった。Kinzeyらの原法を修正したR-SETを用いて8方向の下肢最大リーチ距離を測定した。独自に作製した、1cm目盛りの塩化ビニール製測定シートの中点に足底の中心部を位置し、シートに書かれた直線上に足部をできるだけ遠くへリーチできる8方向(前方、前外方、外方、後外方、後方、後内方、内方、前内方)の最大距離を測定した。測定は3回ずつ行ない、測定値は対象間で比較するために、各対象の身長で除し標準化し、平均値を代表値として採用した。直線上にリーチ出来なかった記録は測定不可とし採用しなかった。下肢筋力測定は、Hand-Held Dynamometer(以下HHD)を用い、Danielsらの測定肢位を参考に、坐位で測定できる股関節屈曲筋、股関節内外旋筋、膝伸展筋、足背屈筋を各左右共ブレーク法にて測定した。体幹筋力の測定については、被検者に昇降式ベッド上で坐位姿勢をとらせ、両上肢を体幹前方で組んだ状態で、検者は被験者の上腕部に側方からHHDを当て、ゆっくりと被験者が坐位を保つ事ができる限界まで側方へ押した時の値を採用した。測定は3回ずつ行ない、測定値は対象間で比較するために、各対象の体重で除し標準化し、最大値を代表値として採用した。統計処理として、R-SETの各方向リーチ距離と個別の筋力の関係、R-SETの各方向リーチ距離間の相関についてSpearmanの順位相関係数を用いてそれぞれ解析した。危険率5%未満を有意水準とした。
    【説明と同意】
    対象者には口頭および文書をもって、本研究の趣旨を伝え、研究参加の同意書に署名を得た上で研究を実施した。
    【結果】
    R-SETと筋力について相関が認められたのは、96項目中左前外方ステップと左股屈曲筋力(rs=0.51)、右前方ステップと左股内旋筋力(rs=0.56)、右外方ステップと右股屈曲(rs=0.49)の3項目のみで、その他については有意な相関が認められなかった。また、R-SETの各方向リーチ距離間の相関については、全120項目中72項目で有意な正の相関(rs=0.46~0.92)が認められた。
    【考察】
    本研究の結果、R-SETと個別の筋力との有意な相関が3項目のみであったことから在宅高齢者において今回対象とした個別の筋力とバランス能力に関連性が高いとは言えない事が分かった。その理由として、R-SETの測定方法の特性上、8方向の直線上にリーチ出来なかった場合、測定不可と判断したために、一定未満の能力を検出できず、対象者の能力の正確な反映が困難となっている事、対象とした筋力がR-SETにおける各方向へのリーチにとって妥当では無かった事が考えられる。今後、R-SETの条件設定やスコアリングの方法をより適切なものとし、対象となる筋力についても妥当性を検証する必要があると考えられた。さらに、筋力のみでなく柔軟性や体性感覚など、他の要素と複合的な関連を明らかにすることによって、対象者ごとに異なる障害像を的確に捉えることに繋がると考えられた。
    【理学療法学研究としての意義】
    在宅高齢者において、R-SETの結果と、今回対象とした個別の筋力との間の関連性は高いとは言えなかった。今後は、対象とする筋力やその他の要素と複合的な関連、SETの具体的な方法や設定について再検討する必要がある。
  • ―学生と指導者の意識調査から―
    *渡邉 千香, 大野 吉郎, 石井 正明, 塚田 勇, 柳澤 勇
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 552
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
     臨床実習は、その知識と技術の最終仕上げの段階であるといえる。そして、実際の臨床の場で具体的に知識と技術を応用することにより、自分自身の言葉として、技術として理学療法を体験することである。今回、学生と実習指導者にアンケートにて臨床実習に関する意識調査を行ったので報告する。
    【対象と方法】
     臨床実習を直前に控えた理学療法学科学生(以下PTS)と理学療法士の経験年数4年以上の実習指導者(以下SV)経験者を対象にアンケート調査を行った。PTSでは41名からの回答が得られ、SVでは34名(平均経験年数7.4年、SV歴4.5年)からの回答が得られた。アンケート内容は(1)実習で何を学びたいか・学んで欲しいか。(2)実習のイメージはどのようか。(3)実習前に勉強しておきたかったこと・勉強しておいてほしかったことは何か。(4)学生に足りないものは何か。(5)実習において不安なことは何か。更にSVには、(6)合否を決めるのに重要視する点は何かを加えた。質問は以上であり、回答は自由記載(複数回答あり)とした。
    【結果】
     主に高値または低値を示したものを記す。(1)PTSの評価や治療技術を学びたい28%に対し、SVでは8%と低値を示し、患者に接することが20%であった。(2)PTSは辛い・厳しい・大変、SVは大変・疲れる・忙しいなどの意見が多く、PTS、SVともにマイナスイメージが70%以上を示した。(3)PTSは基礎知識55%、SVは評価・治療技術が45%であり、勉強面の質問であるにもかかわらず、対応・常識が18%と社会面の指摘が高値を示した。(4)PTSは基礎知識27%、SVは積極性・向上心47%であった。(5)PTSは人間関係34%、SVは学生の人間性32%であった。(6)実習中どのくらい変化したか28%であり、課題提出や基礎知識は10%未満と低値を示した。
    【考察】
     今回の結果から、PTS、SVの共通点として臨床実習にマイナスのイメージをもっていることがわかった。また、PTSは患者に接する責任・不安よりも実習自体を試練のようにとらえる傾向が見られた。PTSの不安要素もまた、学習面より人間関係が高値を示しており、実習前の負の情報が大きく影響していると考えられる。これにより、実習前から萎縮がみられ、積極性に欠ける要因となっていると思われる。また、両者で臨床実習に求める内容に異なる点が多くみられた。PTSは基礎知識の低下に不安を抱いていることが伺えたが、SVはPTSの人間性を重視しており、受動的な教育を求めるPTSに対し、SVは積極的に学ぼうとする姿勢に重点をおいていることがわかった。このことから、実習開始時に十分なコミュニケーションをとり、PTSの社会面での不安を少しでも取り除き、知識と技術の向上に専念できる環境作りを行う事が大切だと考える。
  • 情意・リスク管理・理学療法評価項目について
    米沢 昌宏, 布施 直樹, 花澤 由紀, 曽根 聡美, 曽根 理
    理学療法学Supplement
    2008年 2007 巻 424
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】当院リハビリテーション部では平成19年度で経験3年目以下の理学療法士が約60%を占め、経験年数の若い理学療法士が多い状況下で卒後教育を行っている。指導方法が統一されずに抽象的な内容の指導が行われている傾向は否めず、指導方法を標準化し客観的且つ具体化させる必要があった。そこで、客観的臨床能力試験(以下OSCE)を導入し、その結果から情意・リスク管理・理学療法評価項目の効果について具体的に把握し、傾向について検証したので報告する。
    【対象】平成19年度当院に入職した理学療法士13名(男性7名、女性6名)。
    【方法】OSCEの各項目の問は、患者への配慮が「挨拶・問診・説明・待機」の1項目4問。リスク管理はバイタルサインチェック、移乗、歩行をそれぞれ「準備・実施」の設問を含め3項目19問。理学療法評価はROM、反射、筋力、感覚、麻痺、筋緊張、バランスの評価をそれぞれ「準備・実施」の設問を含め7項目35問とした。OSCEは6月、7月、8月、9月、10月の計5回実施し、被検者にはOSCEの項目、試験実施時期について事前にオリエンテーションし、指導者にはOSCEの内容を伝えず実施した。評価方法は各問を「可」、「不可」で評価した。分析は、「可」1点、「不可」0点を素点とし、項目毎100点満点にスコアリング。総合計得点は1100点とした。統計学的分析は、6月と10月の差はWilcoxonの符号付順位検定を用いた。各項目及び総得点はFriedman検定、Tukeyの多重比較検定を行った。有意水準は0.05未満とした。
    【結果と考察】以下の三つについて分析を行った。一つ目として、指導の効果に差については6月と10月の差で全ての項目に有意な差を認めた。これまで指導者、被指導者はその成果を主観的に捉えた中で指導が行われていたが、OSCEにより客観的な結果を把握することができたと考える。二つ目として、全体の成長の程度については、総合計得点の月別比較で全体として7-8月間で有意に差を認め、他の月間では差を認めなかった。入職から約5ヶ月で点数が急増したポイントが存在する事が印象付けられたが、原因を検証していく必要があると考える。三つ目として、各項目の変化の傾向については、特徴として徐々に向上する項目、7-8月間に著しく向上する項目と2つの傾向が見られた。項目毎に効果的な指導をどの時期に行うかを今後さらに検証していく必要がある。
    【まとめ】指導者の若年化により抽象的な指導が経年で行われ、指導者、被指導者が成果を曖昧に把握している状況にあった。OSCEを実施し、評価法を標準化且つ具体化することで、客観的に能力を評価し把握することができた。これにより新入職員の成長を具体的に把握できること、何が出来、何が課題として残っているか指導者、被指導者間で具体的に共有することが出来ることが、考えられた。効果的、効率的に指導の成果を得る為の各項目の評価時期については今後の課題となった。
  • 升谷 保博, 西村 敦
    日本ロボット学会誌
    2008年 26 巻 3 号 226-229
    発行日: 2008/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 通信制高等学校の学校図書館の現状に関する調査報告に向けて
    江良 友子, 木幡 智子
    学校図書館総合研究所ジャーナル
    2023年 4 巻 24-43
    発行日: 2023/12/25
    公開日: 2025/03/20
    ジャーナル フリー
    Japanese-style school education in 2021 which has been published by Mext aims to realize ";individualized optimal learning ";and ";;collaborative learning"; that draws out the potential of all children. Correspondence high schools, which were institutionalized after World War II to allow students to study while working, are now increasing in number as schools that allow each student to learn according to his or her own learning style. What kind of environment and what kind of use are school libraries, which can present a variety of materials and provide learning information suited to each student, making in correspondence high schools? This research note summarizes the history, diversity, and previous research on correspondence high schools, and summarizes the results of school visits to two schools conducted as preliminary research for future studies.
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