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クエリ検索: "宮田東峰"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • 小学校音楽教育へのハーモニカ導入史の一断面
    樫下 達也
    音楽表現学
    2013年 11 巻 13-24
    発行日: 2013/11/30
    公開日: 2020/05/25
    ジャーナル フリー

    本稿は、1930年前後のハーモニカ音楽界の状況を、1937(昭和12)年の東京市小学校ハーモニカ音楽指導研究会(東ハ音研)とその上部組織である全日本ハーモニカ連盟(全ハ連)に焦点を当てて明らかにし、小学校へのハーモニカ導入史の一断面を解明することを目的とする。具体的には、当時のハーモニカ界がおかれていた状況を如実に表す事象として、全ハ連の設立と、日本演奏家連盟との間で起った「ハーモニカは玩具か?」騒動に着目した。そして、どのような社会的音楽状況の下で全ハ連が東ハ音研を設立するに至ったのかを考察した。1930年以降に小学校にハーモニカ音楽が導入されるようになった背景には、学校現場からの内的な動機や要求だけでなく、「ハーモニカは玩具か?」騒動に象徴されるハーモニカ界全体の停滞的状況や、これを打開しようとするハーモニカ界の人々や楽器メーカーの思惑という学校外の音楽状況の存在が明らかとなった。

  • 日本と西洋の世界初出図形の比較から
    石原 慎司
    音楽表現学
    2022年 20 巻 1-22
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     19世紀後半の西洋の指揮法は今日に向けて大きく発達する余地が残されていた。その当時の日本では洋楽受容に取り組み、唱歌教育を普及・振興する必要に強く迫られていた。その結果、明治時代末までに「指揮法」は唱歌教授法として師範学校必修の学習内容となり、多くの指揮図形の開発がなされた。しかし、日本で開発された指揮図形が西洋の指揮法の発達状況に追いつき、先進性を持っていたのか、その状態については未だ明らかにされていない。そこで本研究では、戦前の指揮図形を発行順に整理し、時代を追って西洋における指揮図形と比較した。

     西洋における指揮図形の資料を確認した結果、19 世紀中頃から世紀末までに指揮図形が直接運動から間接運動を表す図へと発達の道筋が見られた。しかし、すぐさま全拍間接運動化した図形が普及したわけではない。この間に日本において全拍間接運動による新たな型の4 拍子および6 拍子図形が開発されている。それらの図形は完成度が高く、今日でも広く用いられている。また、いくつかの図形が和洋間で往還しながら変容され、発達していく様子も明らかになった。発達過程内に現れた変容図形はそれぞれ発行時点では時代を先取りする先進性を持っていたと考えられる。

     以上の結果、戦前の日本の指揮図形は、西洋の図形を受容していただけではなく、時代の最先端で先進的な図形がいくつも開発され、指揮図形発達の歴史的系譜を形成してきたと言える。

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