幕末・明治維新期は政治的事象が複雑に絡み合った激動の時代である。時系列で出来事を並べるだけではわからない、人々の感情や思惑、時代の空気―それらを臨場感を持って理解するために、元
尊王攘夷
派で倒幕派の志士である西郷隆盛、さらには好奇心を抱いて日本を訪れたイギリスの外交官であるアーネスト・サトウの視点から小説を書いた。第三者目線よりさらに近づいた登場人物目線で語ることにより、当時の人々が何を考え何を願ったのかがより親密にわかるようにし、さらに同じ出来事について書かれた視点の違う二つの小説を比べることにより、考え方の違いや思想の違いをより整理できるようにした。
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