1.ロジンと支那桐油との配合比25 : 75, 50 : 50, 75 : 25の混合物を230℃で40分加熱して、之をSolvent Oil, ウツドテレピン油、キシロ一ルなる3種の溶劑に別々に溶解し、夫々の樹脂配合比及び溶劑に就いてワニスベース含有量80%,60%,40%なる試作油性ワニス27箇を作りその10°~35℃の粘度を測定した。
2.ワニスベース組成及び溶劑含有量同一ならば、いづれの場合にもキシロール最も低き粘度を與へ、Solvent Oilとテレピン油は略同一に作爲する。
溶劑量60%の場合には樹脂量大なるもの即ち少油性のものほど粘度は低い。溶劑量40%の場合にはキシロールは他の二溶劑に比して低い粘度を與へ、この二溶劑はワニスベース同一ならば殆んど同一の粘度を與へる。
溶剤量20%の場合には Solvent Oil, テレビン油は略々同様に作爲し、樹脂量の順に粘度大きく、樹脂量75%即ち少油性のものは他の Oil lengthの場合と比較してかけ離れた大きな粘度を示す。キシロールに就いては Oil length中位のもの最も粘度が小さい。
3. ワニスベース含有量と粘度との關係を各溶劑に封する比粘度η
γеι=η
c/η
oによつて考察すると温度低き場合程ワニスベース含有量の増大によるη
γеιの増大率は大きく、溶剤に就いてはキシロール最も小さく、Solvent Oil及びテレピン油は略同一に作爲する。
4. 温度による粘度の變化率に就いては、ワニスベース含有量
小さきも
のでは試作ワニスの温度による粘度變化率は溶劑のそれによつて支配される。溶劑含有量少き場合には、同一の樹脂量に封して、キシロール最小、Solvent oilとテレピン油は略同一の變化率を與へる。而かも樹脂量の大きなもの即ち少油性のもの程、温度による粘度變化率大きくそれはワニスの粘度の大小とは直接の開係はない。
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