甲状腺内へメルコックスを直接注入して, リンパ管のコロジオン鋳型を得, それを走査電子顕微鏡によって観察した. そのさい 次の点より リンパ管の鋳型であると判断した.
1) 円柱の口径が一定していないこと, 2) 網工状に吻合していること, 3) 盲端にはじまっていること, 4) 弁の鋳型と考えられるV字型の切れこみがあること, 5) 珠数状のふくらみのある部分が多いこと, 6) 内皮の核と細胞境界線によって つくられたと考えられる陥凹や鋸歯状の像がみられること.
この方法は種々の臓器におけるリンパ管の構造や変化を研究するのに有用であると考えられる.
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