青年期女性の適正な食生活指導を行うための一資料を得るために, 女子短大生997人を対象に, 体重減量の実施状況, スナック食品等の摂取状況, 食生活をめぐる家族機能 (団欒, 食事時のテレビの視聴, 既製食品の摂取), 食生活に対する態度 (残食, 偏食, 食に興味がない, 飲食物を栄養と感じない, 栄養の話はおもしろくない, 栄養の話は役立たない, 栄養は妊娠後考えればよい), 食に関する問題行動 (食欲不振, 一時的食欲消失, 食後の悪心, 過食性, 心因性食欲低下, 緊張性食欲低下) について調査し, 次の結果を得た。
1) 体重減量の実施者は対象者の12.7%に上り, 体型が普通~やせぎみの者においても14.3%, 6.1%みられた。体重減量の実施者の昼食, 夕食の欠食率は15.2%, 16.8%, 非実施者のそれは8.4%, 7.7%と有意に低く, また実施者は3食ともほとんどの食品の摂取率が非実施者より低かった。
2) 13種のスナック食品, 飲料等については, “家においている”と“週に1~4回くらい買う”を合わせると30~80%に及んだ。間食時には菓子類 (43.4~62.2%) が多く摂取されたが, 夜食時はいずれの食品も約16%以下と比較的低率であった。居住形態別にみると, 間食時の各種飲料の摂取率は自炊生にいずれも1/3以上と高く, 夜食時の摂取ではほとんどの食品が寮生に多かった。また朝食の欠食者では, 間食, 夜食時の各食品の摂取率が高かった。
3) 自宅生で欠食, 孤食など食生活に問題のある者は, 食生活をめぐる家族機能が良好とはいえなかった。
4) 食生活に対する態度の良否と実際の食生活の間に関連がみられ, 好ましくない態度の者は, 欠食, 孤食をする者, 食事に関与する度合の低い者に多かった。
5) 食に関する問題行動は, 欠食者, 孤食者に多くみられ, また体重減量の実施の有無も一部関連していた。
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