尿石症による膀胱破裂で搬入された6カ月齢の黒毛和種去勢雄牛に, 応急手術としてプラスチック注射器により作製した膀胱-皮膚フィステルを装着し, 良好な結果が得られた.症例は血中尿素窒素が137.3mg/d
l, 血漿クレァチニンが11.5mg/d
lと高く, 尿毒症状態にあった.直ちに右側臥保定の鼠径部切開により局所麻酔下で開腹手術した. 術式は先端を斜めに切断した12m
lのプラスチック注射器でフィステルを作り, 破裂孔から膀胱内に落とし込み, 破裂部を閉鎖縫合後, 傍正中線を小切皮しフィステルの先端を膀胱から腹膜, 筋層, 皮膚の順に体外に誘導し, その先に25m
lの注射器で作ったツバをつけ, 注射針で十字に固定した.術後2日で尿毒症は改善され1年経過後も再発はないことから, 本法は膀胱破裂の1救急処置として有用と考えられた.
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