本報告の目的は,擬態語・擬容語・擬情語の畳語が広告効果に与える影響を探求することである。オノマトペには音を表す擬音語・擬声語と,状態・様子・感情を表す擬態語・擬容語・擬情語があり,本研究では後者の三つに焦点をあて,中でも同じ語を繰り返す畳語が広告効果を高めることを明らかにした。その要因として,知覚流暢性,概念流暢性,情報提供性が広告効果を媒介していると仮説を立てた。t検定と媒介分析の結果,擬態語はその言葉自体が広告効果を及ぼす直接効果モデルを示したが,擬容語は媒介変数の寄与度が高く完全媒介モデルを示し,擬情語は直接効果と間接効果の値が同程度で部分媒介モデルを示した。これらの結果は,日本語表現に関する広告研究に寄与し,広告クリエイティブ制作において企業やマーケターに有益な示唆を与えると考えられる。
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