近年,中国では若年女性が化粧に対する関心度が高まり,化粧習慣のある女性が増えていることが報告され,一方で,チークに対する関心度が日本より低いという現状がある.そこで本研究は日本在住中国人留学生と中国在住中国人大学生を対象にし,住む環境や地域によるチークメイクに対する印象に違いがあるかを検証するため,平均顔を用いて色(5色),濃度(高濃度・低濃度),仕方(丸形・細長型)を変化させたチークメイクを施した刺激に対して,SD法印象評価を行った.因子分析の結果,「魅力因子」,「華やかさ因子」の2因子が得られた.因子得点に対して,地域とチークメイクの色,仕方・濃度の3要因分散分析を行った結果,各因子において“地域と色,濃度・仕方”の2次交互作用および“地域と色”,“地域と仕方・濃度”の1次交互作用は見られなかったが,“仕方・濃度と色”の交互作用が認められた.下位検定および多重比較の結果から,低濃度で丸形及びピンク系のチークメイクがより魅力的,好ましいと評価され,高濃度のチークメイクは低濃度より明るい,派手の評価が高いが,色についてはオレンジ系のチークメイクは他の色より暗い,地味と評価された.
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