Tosufloxacin tosilate (TFLX) の有効性ならびに安全性, 特に光線過敏性反応の発現頻度および発現におよぼす要因を検討する目的で, 1992年8月から1994年3月まで四季に偏りがないよう全国304施設から2,552例の使用症例を収集した。
1) 有効性は感染予防内服85例を含む96例を除外した2,447例で検討した。主治医による臨床効果判定は, 呼吸器感染症で81.5%(662/812), 浅在性化膿性疾患86.0%(606/705), 泌尿器科領域感染症88.0%(529/601), 全体では84.2%(2,060/2,447) の有効率であった。
2) 安全性は再来院せずの9例を除いた2,543例で検討した。随伴症状は21例 (0.83%) に発現し, 消化器症状が8例 (0.31%), アレルギー症状が5例 (0.20%) で, 光線過敏性反応は3例 (0.12%) であった。
3) 光線過敏性反応の発現した3例のうち2例に確認試験を実施した。Minimal erythema dose (MED) 試験, パッチテスト.光パッチテストでは2例とも陰性。内服照射試験では1例は陰性, enoxacin (ENX) で光線過敏性反応発現の既往のある1例では陽性であった。
4) 自発報告の8例を追加した11例の光線過敏性反応発現症例について, 年齢, 服薬日数について検討したところ, TFLXは低率ではあるが, 7日以内に発現する症例が多く, 年齢との相関も明らかではなかった。
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