NO
xのNH
3による還元機構を明確にし,ダーティガスに耐える有力な長寿命触媒ならびに低温活性触媒を見いだす資とするために,V
2O
5系,Fe
2(SO
4)
3系,CuSO
4系ならびにCu(II)イオン交換Y型ゼオライト触媒上のNO
x(NO系,NO
2系,NO-NO
2共存系)の還元反応,さらに関連反応のNOのNO
2への酸化,NO
2のNOへの分解,NH
3のO
2による酸化における,それぞれの反応速度の相違,還元に対する共存O
2の役割,所要NH
3量やO
2量の量論関係などについて種々,定量的に検討を重ねた。還元実験は主として500ppmNO
x(NO,NO
2)-667ppm NH
3-0~5% O
2-10%H
2O-N
2を空間速度1.2×10
5hr
-1で供給し,200~450℃(主として350℃)の定温下で行なった。その結果,いずれの触媒においても,NO-NO
2の等モル共存系の還元速度がいちじるしく大きくなること,酸素の役割がきわめて重要であることを明らかにするとともに,NO
2の入口組成(NO,NO
2,NO-NO
2共存系)のいかんにかかわらず,見かけ上,NOとNO
2が触媒表面上で等モルでかつNO
2として等モルのNH
3によって還元が進行することが示唆された。すなわち,NO系ではNO
2はNOのO
2による酸化によって生じ,NO
2系ではNOがNO
2のNH
3による還元によって生じ,反応はNO-NO
2等モルで進行するということで実験結果を説明することができた。さらに量論的検討結果から,見かけの反応式は,つぎのように表わされることがわかった。
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