小学生(354名)と中学生(659名)に対するパネル研究によって,マスメディア接触の子供の認知発達に及ぼす影響が検討された.テレビ,本,マンガに対する接触量と,論理性および創造性が8ヶ月の間隔で2回測定された.また, 自宅での勉強時間,塾通いの頻度も測定された.パス解析の結果,(a)テレビ視聴は,子供の論理性や創造性の発達を抑えること,(b)読書やマンガ読みには,プラニング能力を伸ばす効果があること,ただし,マンガ読みの効果は場合によって異なっており複雑であること,(c)自宅での勉強や塾通いは,小学生の論理性を高めるが,中学生の論理性は高めず,また,創造性については影響しないこと,などが示された.
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