競走馬にみられた心房性期外収縮の1例について心電図学的検索を行った。本例は,レースにおいて突然スピードがおち著しく遅れてゴールインし,レース後の心電図検査により不整脈が検出された。心電図では,心房性期外収縮がきわめて高頻度にかつ連発して出現していた。この心房性期外収縮の出現を抑制するために,β遮断薬を計18日間投与したところ,期外収縮の発現頻度が著しく減少した。治療後,本例はレースに復帰したが,競走成績は良好であった。本例における心電図所見,さきのレース事故と心房性期外収縮との関連性,さらにβ遮断薬の効果について若干の考察を行った。
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