地域活性のためのアートイベント第2回「東海道中てらしまつり」は平成20年4月に豊川市にある東三河ふるさと公園及び園内の修景庭園で 開催され, 筆者は企画メンバー, アーティストの1人として参加した. このイベントが地域の活性化につながり, さらには生涯教育の観点から地域文化振興につながるべく在りたい.「かえられないもの、かえていくこと」というキャッチコピーの基、社会生活の営みと自然破壊の関係を肯定し, その中で我々が大切にすべき事をアートによって形にするという趣旨がある. このイベントを地域交流の活性化の中心及び生涯教育の視点からの美術教育と捉え, 市民に新しいかたちの美術を鑑賞する機会とするとともに, 地域からメッセージを発信し, 地域の中で育まれる文化としての現代美術としてこのイベントを位置づけた. こうした学芸員不在の活動の中で, 作品を鑑賞する際のガイドブックの作成や, 新しい美術の概念を伝える作業を実験的に行なった, それによって鑑賞者がより深く美術作品を鑑賞し愛好する心情を育む事につながる. また, 東海道中てらしまつりの広域への認知のためにアンケートを行い, その結果から紙媒体での積極的な情報提供が必要である事がわかった. 今後の課題として教育現場との更なる連携と,広域への情報発信, 来場者への作品を含めたイベントのガイドが上げられる.
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