近年、世界各地で歴史学、民族学的にも貴重な考古学遺跡が、調査・発掘方法、保存技術などで脚光を浴びている。そこで本論では、古代遺跡の技術を土木的観点から把握し、衛星リモートセンシング技術が遺跡探査方法のひとつとして活かせないか、いくつかの検討を試みたものである。対象とした遺跡は、福岡県太宰府市にある水城、大阪府堺市にある舌鳥古墳群(仁徳天皇陵)と、藤井寺・羽曳野雨市にまたがる古市誉田古墳群(応神天皇陵)である。検討方法としては、対象遺跡の特徴を把握後、人工衛星リモートセンシングを中心として文献調査、現地調査並びに風水の考え方などを導入した。これらの手法により得られた結果から、衛星リモートセンシング技術の遺跡探査への適用について考察したものである。
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