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解説記事
日本人の聖地信仰と干支―「道」の陰陽五行思想からみる時間・空間感覚の再考―
川合 泰代
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キーワード: , 陰陽, 五行, 干支, 聖地信仰
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2016 年 11 巻 1 号 p. 188-198

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抄録

現在の日本の地理学は,近代以降の欧米思想の導入に基づき成り立っている.一方,それ以前の日本では,中国に源を発する思想が,日本の思想や文化の根幹を形成していた.それは,「道」の思想であり,陰陽五行の思想である.近世までの日本人の聖地信仰も,この思想に基づいていたと考えられる.本稿ではまず,「道」や陰陽五行の思想と,陰陽五行に基づく干支の意味を説明した.そして,干支を用いた時間と空間の概念を説明した.その後,近世江戸の富士講による富士信仰を,庚申という干支を用いて読み解いた.本稿は,近世までの日本人が生きていた時間・空間感覚の再考を提案するものである.

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© 2016 公益社団法人 日本地理学会
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