北海道日本海沿岸における小樽市
忍路
湾の湾奥のホソメコンブ, 厚田村ポンビラの残留リシリコンブ, 寿都町磯谷の残留マコンブの母藻から採苗し, 種苗を鹿部町本別沖と実験棟の流水水槽で育成した。これらの生長, 成熟, 寿命および形態を有意差検定で比較した。得られた結果を1978年, 1983年の順序で次のように要約する。
1.残留リシリコンブは, 細くて長い茎, 長く狭く軽い葉, 遅い実入りの特性形質を夏まで現わした。ホソメコンブは, 太く短い茎, 短く広く重たい葉, 早い実入りの特性形質を現わした。残留リシリコンブは, 1年母藻による種苗でも長寿命の特性形質を現わし, この矮小な低稔性の再生群は生長でも有意差を示した。
2.残留マコンブが最も強壮な生長をみせ, 残留リシリコンブがこれに次ぎ, ホソメコンブが最も劣った。2年生の前2者は共通形質が多く, 近縁とみられた。各群とも優れた特性形質を持ち, ホソメコンブの広い葉, および残留リシリコンブの長い葉と早熟, 砂泥に埋没しずらい長い茎が目立った。
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