「21 世紀教育改革」というのは1996 年の中央教育審議会答申『21 世紀を展望したわが
国の教育の在り方について 第1 次答申』(通称『教育改革第1次答申』)に始まる今日2020
年代に至る一連の「教育改革」を指す。筆者は「新自由主義教育改革」という呼称に共感
しつつも敢えて本稿では「21 世紀教育改革」という呼称で分析を試みたい。
この21 世紀教育改革なるものがもたらしたものは迷走と混乱ではなかったか。教育政
策担当者は何を目指し、どのような成果を上げてきたのかの検証は行われていない。そし
て残念なことに、改革に「踊らされた」現場関係者、そして教員養成に関わる大学関係者
も果たして何を成し得たのか、素朴な言い方だが「教育は果たして良くなったのか」が今
こそ歴史を俯瞰して総括されねばならないと考える。
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