本研究は中学校理科「化学変化とイオン」の単元において,イオンモデルのアニメーション教材の視聴が学習者における塩酸の電気分解に関する推論にどのような影響を与えるのかについて調査を行った.調査の結果,学習者の描画したモデル図においてアニメーション教材視聴後に塩素分子と水素分子の生成に関する説明要素の増加に有意差が見られた.同様に文章による自由記述においても科学用語である「塩素分子(Cl2)」と「水素分子(H2)」の増加が見られたことから,イオンモデルのアニメーション教材が気体分子の結合に関する学習者の推論を支援したと考えられる.
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