垂直面内で前腕を最高速度で屈曲させ, 水平位置から指示された目標位置まで移行する運動を解析した. 運動は目標位置における前腕の保持状態を含めて4つの相に分割できる. 第1, 2相はそれぞれ加速度が正と負の値をとる高速運動過程で, 中枢プログラムされたバリスティック運動となる. この間の加速度波形は6種のパターンに分類でき,そ れぞれ屈筋と伸筋の活動タイミングと活動の大きさに応じて形成される. 第3相は中枢に設定された目標への移行過程で, 自己受容器を介した閉ループ制御がなされる. 第4相では本質的には開ループ制御により腕が保存されているが, はじめて視覚による調節も可能となる.
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