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クエリ検索: "手焙形土器"
3件中 1-3の結果を表示しています
  • 杉本 厚典
    大阪歴史博物館研究紀要
    2013年 11 巻 1-36
    発行日: 2013年
    公開日: 2022/06/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿では河内地域の古墳時代前期の低墳丘墓について、墳墓の形態と出土土器の両側面から検討を行った。河内地域に伝統的な方形・長方形の周溝墓の他、瀬戸内地域の円形、東海地方の前方後方形などの他地域の墳墓形態が継続的に認められた。また供献土器においては外来系土器や、それをモデルとして作成される事例が見られ、ヨコミガキ器種群のように他地域の技術を応用して多用な精製器種を生み出していた。さらに土器を墳墓上に立て、囲繞する土器の用い方も庄内式期の新段階に確立した。この墳丘上に立てる土器の出現とともに穿孔が底部底面に集中し、穿孔の規模が大型化し、立てる土器へ特化したことを示した。しかし布留式後半期に、壺形埴輪や円筒埴輪が登場し、他地域の影響を受けつつ新たな土器祭祀を形成する動きは消滅することから、この段階で大和の王権を中心とする前方後円墳体制の影響下に組み込まれたと考えた。
  • 犬木 努
    史学雑誌
    1997年 106 巻 5 号 687-693
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2017/11/30
    ジャーナル フリー
  • 土器・埴輪配置から把握される葬送祭祀の系譜整理
    古屋 紀之
    日本考古学
    2002年 9 巻 14 号 1-20
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2009/02/16
    ジャーナル フリー
    弥生時代~古墳時代の墳墓から出土する土器・埴輪類の出土状況をテーマとした研究は,幅広い時期・地域において行われている。しかし,墳墓研究における重要なテーマであるにもかかわらず,相互に連絡が無く,方法論においても未発達な部分を残している。
    本稿ではこの分野の総合的な研究の一環として,弥生時代後期~古墳時代前期の墳墓における土器・埴輪配置を,墓制の種類や土器・埴輪の区別を問わずに分析し,両時代間の社会変化の様子を葬送祭祀という側面から描き出そうとするものである。方法論の整備にも挑み,「配置位置」・「器種構成」・「使用土器系譜」・「出土時の状態」・「墓の階層性との関係」の五つの項目にわたって検討を加えた。そして,ある程度類例があり,志向性を読み取れるものについては「葬送祭祀」として認定する作業を行い,各祭祀の系譜関係を追及した。
    分析の結果,およそ次のような変遷をたどることができた。(1)弥生時代後期における地域性豊かな共同体的飲食儀礼の盛行。四国北東部地域・吉備地域・山陰地域・近畿北部地域で主体部上に土器配置を行う祭祀が共通して見られたが,土器配置と墓の階層との関係は地域によって様々であった。(2)祭祀の再編期。庄内式~布留式古段階併行期に各地で儀器の象徴化が進行し,地域限定型の囲繞配列が出現したが,これらの囲繞配列に使用された祭器は前代の在地の祭器の影響が濃く,地域色が濃厚である。(3)古墳における葬送祭祀の完成期。前期後半段階に円筒埴輪の普及に伴い囲繞配列を行う地域が増える。また,飲食儀礼が衰退し,供献儀礼へ移行していく。
    今回の分析の成果のうち重要なことは,弥生墓制における葬送祭祀と墓の階層性との関係が各地域で異なるということである。おそらく,各地域社会における葬送祭祀の社会的役割の違いがこの要因であり,このことが,次代の前方後円墳の葬送祭祀への影響の濃淡として表れると考えられる。
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