東洋医学には漢方薬をはじめとして,鍼・マッサージなどの代替医療と呼ばれるものまで幅広く含まれる。基本的には東洋医学に特有の統計学が必要ということはなく,一般に解説されている統計学を理解しておけば十分である。本総説では統計学の基本を解説しつつ,論文投稿に際して重要な事項を述べる。統計学の考え方,データの取り方,研究デザインの詳細,東洋医学特有の配慮,基本的な統計手法,多変量解析,統計ソフトの7つに分けて概説する。特に,標本変動の概念,観察研究と介入(実験)研究の違い,ランダム化の意義,症例数設計,t検定・カイ二乗検定,対応のある検定,ノンパラ手法,P値,相関係数,重回帰分析,ロジスティック回帰分析を解説する。
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