最近の社会生活はネットワークヘの依存性が急速に進行している.その一つの基盤にはインターネットの爆発的な普及であり, 更に加えて携帯電話, PHS等の驚異的な発展がある.これらにより, いつでもどこでも, しかもパーソナルにネットワークを活用することができ, 近代生活に計り知れない便利さを提供している.しかし, この便利さは裏を返せば, 意外な脆弱さを露呈し, 社会的に重大インパクトを与えることがあり, その安定化対策に多大の出費を招くことにもなる.本論文は, 史上最大の巨大システムであるネットワークの安定化対策について, 米国の先進的な取り組みと我が国の検討状況の経緯を概観の上, その活動に対し日本信頼性学会の立場から, いくつかの提言を行うものである.本論文は2回に分割して掲載する予定で, 今回はその前半である.
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